やっと平年並みの陽気の中、引佐の渋川にギフチョウを見に行って来ました。ギフチョウは日本の特産種で、チョウの中でも進化が進まず原始的な形態を残していると言われています。そのため、幼虫の食草の適応幅が少なく、カンアオイの仲間の一部しか利用しない上、そのカンアオイもアリによって種子が運ばれるため、分布の広がりが遅く、このチョウの分布もとても狭いものになっています。
それでも、渋川にはギフチョウの保護区があり今年は気温が低いので、成虫になるのが遅く12頭ほどが飛び交っていた。早春にさなぎから成虫になるので「春の女神」と呼ばれ、黄色と黒のまだら模様は人気があります。ここにはカタクリも咲いているので、カタクリに止まって吸蜜する写真を夢見ていたのですが、カタクリの姿も少なく残念ながら地上に降りて翅を広げて暖を取っているものしか撮れませんでした。もう少しして気温が上がると個体数も増えて交尾するものも観察できるそうです。交尾と言えばこのチョウの雄は、交尾を終えた雌の腹に蓋をして行ってしまうので、雌は一度しか交尾ができません。一度の交尾しか許さない雄は、自分の遺伝形質への自信があるのかというとそうではなく、このような生態が残っていることが進化が遅れている証左だと言えるでしょう。