梅雨の雨にぬれて水辺に咲くカキツバタの群落は、とても風情があります。奈良時代にはこの花を摘んでその色汁を使って紙に書く花摺りに使ったそうで、カキツバタの色汁を使った絵手紙などはなかな風情がありそうです。カキツバタと言えば一緒に浮かぶのがアヤメ。
「いずれアヤメかカキツバタ」は、たがいに美しくて甲乙つけがたいという意味だと私は理解していますが、どちらもアヤメ科の植物で、外側の花弁が大きくて垂れ下がっています。
見分け方は、アヤメはその名の通り、外に垂れ下がっている花弁の付け根に黄色の網目状の模様がありますが、カキツバタは白ややや黄色がかったの斑があるだけです。また、アヤメは少し乾いた場所に生えますが、カキツバタは水辺を好みます。もうしばらくすると同じ仲間のノハナショウブが咲いて、梅雨の水辺は紫に彩られます。