オレンジ色の見るからにおいしそうな実。ちょっとつまんで口にいれたくなります。ところが口に入れると、はじめの少し甘みの後に、ネバ付いたエグミが口に広がり、すぐに水筒の水で口をゆすぎたくなります。この実の持ち主は「ヒメコウゾ」和紙の原料の「コウゾ」で知られています。林の縁の少し湿った所に良く生え、一年で1m以上にも枝を伸ばします。秋にこの木の皮を剥いで、水にさらして叩くと繊維が取れるので、これをすいて和紙にします。この木の皮は丈夫で、皮を剥いで引っ張りっこをしてもなかなかちぎれません。この丈夫さが和紙に向いているのでしょう。この木を使った和紙作りに挑戦して4年目。
やっと材料取りから紙すきまでの工程を、一日でこなせるような工夫ができました。今年の秋が楽しみです。