ものの本によればその昔、美しく麗しい人の事を容人(かたちびと)といったそうな。そしてひときわ美しい花を容花(かおはな)とめでたそうです。最近緑のカーテンにもてはやされる朝顔の名も、朝に咲く「かおはな」から来たとされています。ところがこの「かおはな」暑さに弱いのが玉にきず。朝早いうちに咲いて日が出て気温が上がりだす頃になれば、麗しい姿はすでに無くくたびれて下を向いてしまう。超サマータイムの花です。ところが万葉集に出てくる「野辺の容花」はヒルガオです。こちらは名の通り夏の強い日差しあたってもなんのその、あちこちに這わせたツルに、淡いピンクの花をたくさんつけます。ところがきれいだからと残しておいたら大変。翌年はいたるところに出て来て、旺盛に蔓を伸ばし一帯をわがもの顔に占拠してしまいます。漢方では、全草を乾かして、疲労回復、強壮、糖尿病に治療に使うそうです。ビタミン、ミネラルが豊富なのでおひたしやあえ物で楽しむこともできるそうです。旺盛な生命力は、土の中の養分もいっぱい吸い上げ蓄えると言うことかもしれません。熱い日差しの中で、ピンクの花を見つけると汗をぬぐいながらちょっと見とれるこの頃です。