鳥羽山城で今年度の発掘調査の説明会があると聞いて、現地へ行ってきました。鳥羽山城は浜松市天竜区にあるお城です。鳥羽山城の対岸にある二俣城は訪れたことがありますが、ここを訪れるのは今回が初めてです。説明会ということで、浜松市の職員さんが、このお城の成り立ちや、今回の発掘の成果を丁寧に説明してくださいました。 「大手口の石垣」「本丸通用門横石垣」「本丸内庭園遺構」広い大手道と庭園の遺構などからこのお城は二俣城の迎賓館的な役割を持っていたのではないか、との説明でした。迎賓館的な機能の城郭というのは、一般的なお城のイメージとはかけ離れています。京都に近い場所や大大名の居城ならまだしも、こんな地方の支城での迎賓館というのは驚きですね。今回の発掘調査により、土の中や藪の中から石垣遺構が発見されたそうです。これらは、1590年の北条征伐後に浜松の領主となった堀尾氏により築かれたもののようです。関ヶ原の合戦後堀尾氏は松江に転封となり、鳥羽山城は二俣城とともに廃城となっていますので、1600年初頭の構造物がタイムカプセルのように眠っているということです(もっとも近代の公園化でだいぶ手を加えられている部分もあるようですが)。浜松市は、この鳥羽山城と二俣城での発掘を今後も続けて文化財としての価値を高める事業を進めていく予定とのことでした。掛川もあやかりたいものです。専門家に案内をしていただき、1時間ちょっとの城巡りでしたが、とても充実した時間をすごすことができました。