前向きな姿は人をも元気にさせます。
大事なことですね。
朝日新聞 2013年1月1日付 朝刊 【カフェで街を元気に】 えんじ色の帽子とエプロンをつけた若者たちが、通りがかりの人に声をかける。「いらっしゃいませ。高校生がやっているカフェです。どうぞ」。小さいけれど落ち着いた雰囲気の店内に、親子連れや買い物途中のお年寄りが立ち寄っていく。 いしのまきカフェ「」(かぎかっこ)。震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市の中心部の市役所1階に2012年11月オープンした。地元の高校生35人が運営に参加し、土日祝日に開いている。 6月から準備してきた。コンセプト、店のデザイン、メニュー、すべて自分たちで決めた。型にはまらず、かっこの中に色んなものをあてはめて変化していこう――かぎかっこという店名には、そんな思いを込めた。 がれきの山や壊れた建物が残る街には、今も重い空気が漂う。若い自分たちががんばる姿を見て石巻の人たちに元気とやる気を持ってもらいたいと願う。 「懐かしさや親しみを感じてもらいたい」と、木のぬくもりを重視した。白と茶色を基調に、イスや床の色にもこだわった。店内で流す音楽は落ち着いた曲調のものに統一している。 看板メニューは「スティック」。地元産の野菜や手作りの米粉パンを棒状に切り、ディップソースにつける。震災から再建中の水産加工会社と一緒に考えたクジラ肉のマヨネーズあえディップも。 石巻市立女子高1年の沢里春佳さん(16)もメニュー開発に参加。季節によって採れなくなる野菜などをどうメニューに組み込むか試行錯誤を繰り返した。料理の評判が気になり、ついキッチンの窓からお客さんの表情をのぞいてしまう。卒業したら栄養士の資格を取り、石巻の魚を使った料理がしたいと思っている。 武山響さん(18)は石巻北高3年。南三陸町の自宅を津波で流され、今は石巻で暮らす。「何か変えたいと思っている全国の高校生に自分たちの活動を知ってもらい、何かを始めるきっかけになれば」と話す。 デザイナーをめざし、東京の専門学校に進む。いつか石巻に戻り、街を元気にする活動にかかわりたい。 榊原織和、写真・日吉健吾 〈読者投稿〉 「被災地に生まれている光」それを私はこの記事を読んでとても強く感じました。震災から約2年。まだまだ多くの傷が残り暗い被災地の様子をよくテレビなどで見ることがあります。しかし、このように少しでも人々を元気にしようという人たちがいる限りは明るい未来が待っていると私は思います。 このカフェを運営しているのは高校生、私と1,2歳しか変わりません。高校生でもこんなふうに大きな希望を与えることができるんだ。そう思ったら私にだってどんなこともやれそうな気がしました。カフェをオープンするのは簡単なことではありません。石巻の人たちを元気にしたいという強い思いがあったからできたのだと思います。私が元気をあげるどころか、逆に被災地から挑戦する勇気とHAPPYをもらった記事でした。今年は高校生になるので私もこんなふうに何か新しいことに挑戦したいと思います。 武田美沙希さん 15歳 新潟県 × × 誤字脱字写し間違いあります。 |