ヒサカキの甘い花の香りが漂う谷沿いの道を歩いていると、まだ冬枯れの崖の脇などで黄色い花をたくさん垂らしたキブシの木が見つかります。キブシは「木五倍子」と書いて
布を染めたり皮をなめすために実を「五倍子」(ぶし)の代用に使ったことから付いた名前だそうです。
まだ葉がでていない茎から、花の房がいくつもぶら下がった様子は黄色い藤のようでここから「黄藤」がなまったものと私は昔思っていました。
キブシの花が咲き始めると、せせらぎの岩の間からは、タゴガエルの「ギュギュギュ」といったくぐもった鳴き声が聞こえてきて山裾にも春が近づいてきます。