今の山歩きは一年で一番生き物が生き生きしている時ではないでしょうか。長い冬が終わってさまざまな植物が芽を伸ばし始めました。そんな植物をみるとお久しぶりですと声をかけながらまたいで歩きます。そんな声をかける仲間にヤブレガサがあります。
山の少し湿った道脇に小さな傘をまだ眠たそうに半開きに広げてうつむいている姿はなかなかしおらしく、てんぷらや塩ゆでしておひたしにして食べるのは気の毒になります。
ところがこのしおらしさもつかの間で、ホトトギスが渡ってきてテッペンカケタカと鳴き出す5月の半ばを過ぎると一気に伸び始めて、おんぼろ傘をこれでもかと広げて行く手を阻みます。そんなヤブレガサをみるとあの時のしおらしさはどこに忘れてきたのと言いたくなります。