湿って暗い谷沿いの林を歩くと大きな葉に白と赤の花が目に飛び込んできます。葉が茗荷に似てよく目立つ花を咲かせる所からついた名前です。花は下から順番に咲いてくるので全部の花がきれいに咲いている株にはなかなかお目にかかれません。この花おしべは6個あるのですが完全なのは真ん中の1個だけで他は仮おしべと言って花に虫を引きつけて完全なおしべの受粉を助ける引き立て役に回っています。中でも花びらより目立つ白に虹色の筋がついた「あかんべー」と舌を出したような唇弁も2個の仮おしべがくっついたものです。この引き立て役のおかげで秋には長楕円形の長さ1.5㎝ほどの赤い実がならんで付き、鳥たちのよい餌となります。