6月8日以来2週間待った花が咲きました。「ナヨテンマ」という地面中の菌類から栄養をもらって花を開くランの仲間です。この花1856年にオランダ人が長崎で採集した標本をもとに名前を付けられましたが、それ以降実物が見つからなくて、1964年に掛川市内で杉野孝雄さんが何と99年ぶりに日本人として初めて生えているところを見つけた植物です。その後数年は同じ場所で見られたようでしたが、最近は見られないとの話でした。それが6月になって国立科学博物館の研究員の手伝いをすることになり、市内で近年この植物の記録があることを知らされ1週間おきに見に行っていました。なにしろこの植物は普段は土に中に隠れていて、花のときだけ芽を伸ばして、花を咲かせると10日ほどで地上部はなくなってしまうという厄介な奴。このチャンスを逃したらまた来年まで待ちぼうけです。今日は所要があって遠方の仕事に行けなかったので時間を作って見に行きました。うす暗い山の中にありました。合わせて15本。杉野さんにこの花の話を聞いてから20年。私にとってはあこがれで幻の花との出会いでした。