東京で福祉関係の仕事に就いている次男から、先日深夜にかなり興奮した声で電話があった。 『父さん!俺、首吊り自殺の第一発見者になっちゃった!』 そのお宅は60代と50代の二人兄弟、60代の兄は病弱で障害があり、弟はワケあって無職。兄の年金で二人は食いつないでいたのだが、日に日に兄の容態は悪化。あわせて、弟による兄への虐待の疑いもあり、兄の主治医、地域、そしてウチの息子が勤めている会社からも、生活保護と兄の施設入所を急かす声が挙がっていたとの事。 でも生活保護を打診していた区役所側は、兄弟が住む自宅や土地が兄名義のために却下。 それを苦にして弟が自宅で首吊り自殺。 次男は泣きそうな声で(実際に泣いていたのかもしれない)、区役所のやった事は正しいよ、でもね……、 先日、弟サンを尋ねた時も、気弱そうな小さな声で『今日はありがとうございました』って何度も何度も頭さげるんだ、この若僧の俺に…。 なのにさぁ、今日行ったら自殺なんかしてるの!首吊り自殺でさぁ、体が振り子みたいにプラプラ揺れてるだよ! 区役所は間違ってはいないよね、でも父さんなら俺の気持ちもわかってくれるよね!! なんで土地を売らなかったんだろ!? 土地売ったお金で兄貴を施設に入れて、残ったお金で人生やりなおせって何度も説得したのに、どうして自殺なんかしちゃったのかなぁ…。 区役所は悪くないのはわかるよ、でもね なんで自殺なんかしちゃったのかなぁ? やり切れない! 一時間ほど何度も何度も繰り返し、電話は切れました。 |