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2013年08月28日(水) 
夜回り先生のエッセーです。中日新聞からの貼り付けです。

子どもたち、先日私はとっても幸せな一日を過ごしました。その日は、朝から東京の外国系通信社で取材を受けていました。朝、会社の受付に行くと、二人の受付の方、二人とも外国人の方でしたが、満面の笑みで「いらっしゃいませ」。とても幸せな気持ちになりました。五階の会議室に行くまで、エレベーターホールでも、廊下でも出会う外国人の人たちは目が合うたびに会釈し、ほほ笑んでくれます。とても幸せな気持ちで取材を受けることができました。
 昼前に、私はその取材を終えて、駅へと歩いたのですが、その日は、暑い日でした。道行く人たちは、その暑さの中でみんな厳しい顔。目と目が合っても、ただうつろに視線を外し、からだがぶつかって、私が「すみません」と謝っても、何の返事もありません。何か、午前中に温まったこころが、外の暑さにもかかわらず、どんどん冷えていきました。
 子どもたち、君たちに聞きたいことがあります。君たちの家は、学校は、どうですか。私が午前中に訪問した会社のように、笑顔があふれていますか。優しい丁寧なことばが、満ちていますか。それとも、私がこの日の午後経験した街のように、冷え冷えとした、無機質なものですか。
 子どもたち、私は学生時代から、仏教を勉強しています。仏教では、自らが幸せになるお金を使い、困っている人のために募金や寄付をする。施設を造ったり、食事を提供する。これが、人を幸せにし、そして自分も幸せにしてくれるという教えです。
 でも、お金が無い人は布施ができないのか。そうではなく、その人たちにもできる布施、それが「無財の七施(しちせ)」です。「和顔施(わげんせ)」、だれかと目が合ったら笑顔を返すこと。「眼施(げんせ)」、いつも、優しい目で人と接すること。「言施(ごんせ)」、人に優しいことばをいつもかけること。「身施(しんせ)」、ゴミを拾ったり、人が落としたものを拾ってあげたり、からだを使って人のためになることをすること。「心施(しんせ)」、人に、思いやりのこころで接すること。「床座施(しょうざぜ)」、人に席を譲ること。「房舎施(ぼうしゃせ)」、人を家に泊めてあげること。
 子どもたち、どうですか。このうちのいくつかは、今すぐに君たちでもできることではないですか。それが君たちの家庭や街、学校を、とても優しさのあふれる、そして笑顔に満ちた、幸せなところにしてくれます。そして、それが、君たちのこころを優しさに満ちたものにしてくれます。君たちを幸せにしてくれます。やってみませんか。

  「子どもたち、子どもたち」と呼び掛けていますが先生は「大人の皆さん」
お手本になれますかと云いたいのだとおもいます。

閲覧数1,433 カテゴリ日記 コメント8 投稿日時2013/08/28 14:44
公開範囲外部公開
コメント(8)
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  • 2013/08/28 21:15
    無財の七施・・・。
    心がけてますが、内心の乱れがあって、
    出来そうで、出来ません。

    居合と同じで、生涯稽古を心がけます。
    次項有
  • 2013/08/28 22:01
    隣のとろろ園さん
     ありがとうございます。

    そうですなかなか出来そうで出来ない事ですね、
    でも、心がけて居るのといないのでは違います。

    医療センターのリハビリ室は三階、エレベーターの乗り降りの時など
    皆さん親切にしてくれます、気持ちイイ思いになります。
    次項有
  • 2013/08/29 07:43
    ターコさん
    無財の七施

    早速
    ノートに書き写しました。

    徒に、年を重ねてしまった私…
    これからは
    無財の七施の
    一つでもやらなくちゃあです。
    頑張ります(^_^)v
    次項有
  • 2013/08/29 09:13
    私もこの記事を読みました。
    又、繰り返して読させていただきます。

    出来てるようで出来ていません。
    他人にやさしくと挨拶は母からの教えですがまだまだかもしれません。
    私達の子供の頃はこの教えは当たり前の事でしたね。
    いつのまにか忘れてる自分です。
    次項有
  • 2013/08/29 10:32
    ターコさん ありがとうございます。
    私も書き写しておきます。何回読んでも書いてもすぐ忘れてしまいます。
    ターコさんは歳と共に徳も重ねておられる方です。
    次項有
  • 2013/08/29 10:35
    みつちゃんさん ありがとうございます。
    連載のこのエッセーは中日新聞だけでなく各紙(誌)に載っているでしょうね。
    何処かで見たのを繰り返して読むのも良いのではないかと…
    私の行く場所は病院。特殊の環境かも知れませんが皆さん親切にしてくれます、
    まだまだ捨てたものではありませんお返しはありがとうの言葉だけです。
    次項有
  • 2013/08/29 12:18
    makoさん
    読ませていただきました。

    有難うございます。


    なんとなく、自分では笑顔のつもりで過ごしていたつもりですが
    所詮はつもりの様だったように反省しきれの記事です。


    改めて、自然体で優しくなれるようにしたいと思います。

    次項有
  • 2013/08/29 15:22
    makoさん
    ありがとうございます。

    makoさんのお人形、投稿の写真と文章から
    しっかりと温もりが伝わって来ています。

    無理のないそんなつもりで暮らしたいと思います。
    次項有
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