竹下夢二が「待宵草」を「宵待草」と間違えて歌にしてしまったマツヨイグサの花が今道端で目立ちます。マツヨイグサの仲間は、「オオマツヨイグサ」「マツヨイグサ」「メマツヨイグサ」「コマツヨイグサ」の4種類ほどありますが、すべて外国から来た帰化植物です。マツヨイグサの原産地は南アメリカですが、他は北アメリカが故郷です。
この花は名前の通り夕方に花を開き、朝にはしぼんでしまいます。夕方に開いた黄色の花は鮮やかで夜目によく目立ちますが、通勤車両が行きかう道路脇で朝日が当たってしぼんで赤くなった花をうつむかせている姿は、うらぶれたさみしさを感じさせます。
太宰治が書いた月見草はオオマツヨイグサだと言われていますが、朝露にあたって同じ向きに花を開くマツヨイグサ。万葉の時代にあったら歌人たちはどんな歌を残したでしょうか。