南日本新聞 2012年12月20日付 朝刊 【甘い冬の便り 高齢者へ】 〈伊佐から宮城・南三陸町支援の輪〉放置の渋柿を有効活用 伊佐市大口田代の羽月西小学校が、東日本大震災復興支援の「干し柿プロジェクト」を進めている。高齢化の影響で、収穫されずに放置されている校区内の渋柿を干し柿にして、同市職員2人が支援目的で派遣されている宮城県南三陸町へ贈る。全校児童11人の思いが詰まった「甘い冬の便り」は、仮設住宅で暮らす高齢者へ届けられる。 きっかけは市広報誌。職員派遣のお礼を兼ねて同市役所を訪ねた南三陸町長が「私たちをいつまでも忘れないで」と語った記事が掲載された。 かねてから、校区内に実を付けても収穫されない柿の木が多い、と感じていた下入佐幸二校長(53)が地域住民に相談。次々と賛同の声が届き、児童が収穫へ出向くなどして420個が集まった。 給食後の時間を活用して児童が皮をむき、熱湯にさらして糸にくくり、校舎と体育館を結ぶ渡り廊下につるした。震災発生当時、同町の建物が津波に流される映像も全員で見た。 5年の一倉日奈乃さん(11)は「南三陸町という名を覚えて、市職員が現地で頑張っていることも知った。寒い季節を干し柿を食べて元気に暮らしてほしい」。 干し柿は児童のメッセージを添えて、22日に町社会福祉協議会あてに発送する予定。 (堀 巨) ○○〈読者投稿〉 新聞のカラーしゃしんを見て、かきのカーテンみたいで、きれいだなと思っていると、しぶがきをほしがきにしているところだよと、お母さんがきじを読んでくれました。 わたしと同じ小学生が、しんさいでかせつじゅうたくにすむおとしよりのみなさんに、かごしまから手作りのほしがきを、とどけようとするこのきじに、心がぽかぽかになりました。なんてやさしいみなさんなのでしょう。一つ一つていねいにかわをむき、おゆにさらして糸でくくり、ろう下につるした420このかきのカーテン。きっと、ぜん校じどう11人のやさしさと、思いやりの心がいっぱいつまった、あまいかきができたことでしょう。 校長先生やちいきのみなさんの力もかりて、遠くのひさい地へおくる心のプレゼント。それは、ひさい地のみなさんの心をかきのオレンジ色のように、明るく元気にしてくれるだろうなとうれしくなりました。わたしも羽月西小のみなさんにまけないやさしい人になりたい。 和田明子さん 8歳 鹿児島 × × 誤字脱字写し間違いあります。 |