毎日新聞 2012年12月19日付 朝刊 【仮設の新年 お体大切に】 95年の阪神大震災で被災した神戸市のNGO「アセック」理事長、瓜谷幸孝さん(65)昨年に続いて今年も、東日本大震災の仮設住宅で新年を迎える被災者に年賀状を送ろうと呼びかけている。前回は涙を流して受け取った被災者や文通に発展したケースもあった。神戸市の復興住宅で暮らすお年寄りたちは「人とのつながりで少しでも心を和らげることができれば」と、準備を進めている。〈内藤寿明、写真も〉 《神戸のNGO年賀状募集》 「寒いのでお体を大切にしてください」。日下博子さん(75)は阪神大震災で同市灘区の自宅が全壊し、和歌山の市営住宅へ3年間避難した。慣れない環境で近所付き合いもあまりなく、夫はストレスから入院した。「当時の自分たちが掛けてほしかった言葉を紡ぎました」 瓜谷さんの呼びかけで昨年は約3000通が集まり、宮城県石巻市の仮設住宅で配った。「遠くで自分たちを気に掛けてくれている人がいるんですね」と涙を流して受け取る人もいた。 神戸市長田区の堀越明美さん(71)は、年賀状をきっかけに仮設の独居女性と文通を始めた。自宅が全壊し、跡地にブルーシートを張って1年以上過ごした日々を振り返りながら、来年の年賀状には「涙を流した分だけ幸せになれると信じて」とつづった。 年賀状は27日まで全国から募集している。宛名は「被災された方」とし、封書に入れて、神戸市垂水区舞子台8の16の16の604、アセックまで。瓜谷さんが元日から石巻や福島市の仮設で配る。問い合わせは瓜谷さん(090・6735・4253)。 ○○〈読者投稿〉 私は、この記事を読んでその1日後にハッピーな気分になった。 この記事を見つけたとき、私も送ろうと思った。私にもできる被災地支援だと思ったからだ。でも私だけでなく、友達や家族にもこの記事のことを話して、一緒に年賀状を送ったらいいのではないかと思った。 そう思った私は、生徒会の仲間たちに相談を持ち掛けた。すると、その場にいた全員が協力すると言ってくれた。中には手書きで書いてくれる人までいた。 そして、合計16枚の年賀状が完成した。私は生徒会の仲間たちへの感謝の気持ちでいっぱいだった。そしてこれが、仲間たちとする最後の仕事になった。 私たち中学生の書いた年賀状で、受け取った人がどんな気持ちになるかはわからない。 しかし、私たちが気持ちを込めて年賀状を書いたのだから、受け取った人に私たちの思いを伝えることができると思う。私たちが被災地のためにできることは、まだまだあるはずだ。 山本梨香子さん 15歳 兵庫県 × × 誤字脱字写し間違いあります。 よいお年をお迎えください。 |