中日新聞サンデー版の特集「日本茶」の所に榛村さんの言葉が載っていましたので写して見ます。 私は、2011年7月に日本茶業中央会の会長をお受けしましたが、生産者も茶商も、また産地別でも、一致団結して行動できる分野は、消費拡大、商品開発だと思い五つの戦略路線を提唱しました。 第一は、和産・和消、和食路線です。日本人が世界一の長寿国になったのは、お茶とお米とお魚を一千年以上続けてきたからではないかと思われます。そこで、お米百キロ、お茶二キロお魚六十キロの食事を呼びかけ、お茶を二キロ以上愛飲する緑茶人間を顕著に増やすことです。 第二は、文化・美学、癒し路線です。お茶には茶道・茶室とか茶器・茶菓とか美学に昇華する文物があり、またお茶人とか茶禅一味、淡交とか、お茶を介したいろいろな人間交流、一期一会、接待等、人生の良質なくらし方を示す用語があります。これらにより、心も体も人間関係も社会も癒されます。 第三は、機能・効能、長寿路線です。お茶は健康長寿・予防医学的効果が大きいので、それらをわかりやすく一般消費者に解説・徹底できる手法とネットワークを築く必要があります。お茶の機能・効能を五十項目にわたり論述した大冊「茶の機能」を折にふれ辞書的に利用し、クチコミでPRしたいと思います。 第四は、食育・撫育、徳育路戦です。日本の教育は知育と体育は十分やってきましたが徳育をやめました。道徳教育アレルギーがあるからです。そこで徳育を始めるには、お茶の世界・作法を丹念に教えることから始めるといいと思います。すなわち、食事をする教育と愛撫する教育を限りなくやさしく、限りなく心を込めて、することをもって徳育とするわけです。子供の時からの食育と撫育が徳育として定着すれば、素晴らしい人間形成です。 第五は、エコ・倫理(エシカル)、愛郷路線です。生産面では生態系と有機性を大切にして、茶園と国土を美しく守り、お茶を安心安全、良心的なエシカル商品に価値アップし、生産技術と輸出面と愛郷心と生活の質を磨き上げる運動とすることです。 以上のことを茶業関係者一人ひとりが実践PRし、緑茶と人間を科学する茶業振興策を推進すれば、茶業界の沈滞を前に、みんなが何とかしなければならないと思っている「何とか」の突破口が開けると思います。 (日本茶業中央会会長、静岡県茶業会議所会頭) × × 誤字脱字写し間違いあります。 何とか茶業振興策を推進して早く何とかしてもらいたいです。 |