思い起こせば2010年のシーズン終了後、長谷川健太監督が更迭され、同時に岡崎慎司をはじめとする主力の大量流出を契機に清水は凋落の一途を辿ることに…。 そして今でこそ長谷川健太氏は名将と称されるものの、当時は判断が遅い、割り切った采配が出来無い監督といったイメージだった(個人的主観)。 毎年の様に繰り返す残留争い、そして主力選手の引き抜きも当たり前の様に有り、背番号10がいとも簡単に出て行く新聞記事をを脱力感と悔しさが混じり合った気持ちで眺めた事も有った。 出て行った選手を対戦相手として聖地・日本平スタジアムで見掛けた時は『ユニフォームの着心地は良いか!?』な〜んて叫んだ事も有ったよ。 そして遂にJ2降格、オリジナル10としてのプライドは胡散霧散、もう完全に唯のローカル弱小クラブに成り下がり二度とトップカテゴリーへの復帰は無いものと覚悟した事も有った。 翌年J2で迎えたシーズンは開幕戦をスコアレスドローで勝ち点2を逃すとその後も勝ちきれずにスタートダッシュに失敗、二桁順位になった時には今の立ち位置を痛感させられたな。それでも最終戦に勝利してラスト9連勝で何とか『約束の地に1年で戻る』とのサポとの約束を守る事が出来た。 トップカテゴリーに復帰はしたものの、毎年残留争いに巻き込まれシーズン途中での監督更迭も当たり前の様に繰り返しているのを目の当たりにし『弱小クラブの悲哀』を痛感させられる日々が続いている。 そして今季も結局監督はシーズンを走りきる事が出来ずに更迭、そして暫定政権が発足となり『いつか来た道』を何度繰り返せばいいんだ?との思いにも陥った。 そんな気持ちで迎えた今年のストーブリーグ、シーズン途中から新戦力獲得やら新監督の噂が流れて『いつもの清水らしく無いなぁ』なんて思っていたら、そこからは怒涛の獲得ラッシュ、現在では名古屋グランパスと一緒に一気にサッカー掲示板の主役に躍り出た感もある。 ここまでで移籍したのが北九州へ移籍の六平選手をはじめ計4人。契約満了が鄭大世選手をはじめ計7人(1人は引退)。 対して新加入がFWはブラジル人助っ人をはじめ3人(内1人は2022入団)。MFが1人、DFが2人、そしてGKが権田選手をはじめ2人の計8人。 驚きなのは其々のポジションでの即戦力を獲得した(出来た)事!。 GK権田は日本代表、同じくGK永井は今季躍進した北九州の正GKだ。 DF鈴木はJ1大分のキャプテンで、移籍に対して大分監督が『悲しくて悔しい』と異例のコメントを出した程。もう1人の片山はセレッソで今回清水監督となるロティーナの薫陶を受けレギュラーだった。 MF原もサガンでレギュラー張っていた選手だし、FWのチアゴ選手は現在ポルトガルリーグでゴール数がリーグ2位の選手。同じくFWディサロは今季J2リーグ2位の18ゴールをあげた選手。 その他にもまだ噂の段階ではあるけれど、ブラジル人DFを1人獲得するとの情報もある。 ここまで即戦力を獲得するとは想像もしていなかったし、昨年までの補充的な獲得じゃ無く、完全に補強に成功している感じ。 その他で注目したいのは北九州に2シーズンレンタルしているサイドハーフの高橋大悟選手の復帰は有るのか?まだ契約更改したとの発表が無い、河井選手をはじめとするレギュラークラスの選手達。まぁここは主力級の誰かが出て行くのはなんら不思議な事じゃ無いし覚悟してはいるけれどね。 さて、ほぼほぼ戦力は整ったけれど、主力級の新加入選手が多いだけねに、開幕までにどれだけ戦術を浸透させ選手間の連携を深める事が出来るか?にかかっていると思ってる。 いくら良い選手を集めたとしても、サッカーは11人でやるスポーツ。それに攻守がはっきりと分かれている野球とは異なり、攻守が一瞬で入れ替わり、守備時や攻撃時のポジション取りが自由なだけに連携・戦術の浸透が重要。ここは名将ロティーナの手腕に期待しておくよ。 フォルツァ・エスパルス! フォルツァ・ロティーナ! |