街中で見かける「数珠をつけたおじさん」。 あれはファッションなのか、それとも宗教的な意味があるのか? いや、実はあれ、「経営者あるある」なんですよ。 女性受けも悪いし、意味はないのに外せないんです。 なぜかって? 経営者って、どんなに合理的に考えても「運」に委ねるしかない場面があるからです。 つまり、理屈抜きに「験担ぎ(げんかつぎ)」をしてしまうんですね。 今回は、この「おじさん数珠問題」について、科学的な視点も交えて考えてみましょう。 「たまたま上手くいった時の習慣」をやめられない脳の仕組み 心理学的には、これは「条件付け」と「迷信行動」の話になります。 アメリカの心理学者B.F.スキナーが行ったハトの実験をご存じでしょうか? スキナーは、ハトにエサを与えるタイミングを完全にランダムにしました。すると、ハトは「たまたまエサが出た時にやっていた動作」を学習し、それを繰り返すようになったのです。 たとえば、「首を右に傾けていたらエサが出た」→ 「よし、この動作をすればエサが出るんだ!」とハトは思い込む。 これが「迷信行動」です。 人間の脳も、基本的にこれと同じことをします。 経営者が「数珠をつけていた日に大きな契約が取れた」となると、「数珠をつけると運が良くなるのでは?」と無意識に関連づけてしまう。 僕自身も経験があります。 僕の場合はピアスです。 絶対に関係ないことがわかっていても、たまたまピアスをつけていた時にいいことがあると つけているといいことあるのではないかと思ってしまうんですよね。 さらに、ビジネスの世界はコントロールできない要素が多すぎるのも関係しています。 ・同じ商品でも、売れる時と売れない時がある ・同じ広告を打っても、反応がいい時と悪い時がある これらの「不確実性」が強いため、経営者はどうしても「運」に頼らざるを得ないんです。 でも、「運」は目に見えないし、コントロールもできない。 そこで、なんとか運を引き寄せようとして、「験担ぎ」をするようになるわけです。 たとえば、 ゲンの良い服を着る 験担ぎのメニューを食べる 縁起のいい数字にこだわる 数珠をつける いい流れの時のピアスを外せない(←これ、僕) こういった行動が、経営者の間で広がっていく。 すると、「成功している経営者=数珠をつけている」というイメージが出来上がり、さらに多くのおじさんが数珠をつけ始めるわけです。 「信じる者は救われる」のは本当か? ここで面白いのが、プラシーボ効果です。 たとえば、偽物の薬(プラシーボ)を「これは効果抜群の薬です」と言って飲ませると、本当に症状が改善することがあります。 同じように、「この数珠をつけると運が良くなる」と思い込むと、実際に自信がついて行動が変わることがあるんですね。 心理学者のリチャード・ワイズマンによると、「運が良い人」と「運が悪い人」の違いは、実際の運の良し悪しではなく、本人の思い込みだそうです。 つまり、「この数珠をつければ大丈夫!」と思っている人は、ポジティブに行動できるので、結果的にチャンスをつかみやすくなる。 だから僕も、「ピアスをつけているといいことがある」と信じている間は、いい流れなのかもしれません。僕は本来統計学とか科学的な専門家なのに運に委ねてすみません。。。 結論として、 「数珠をつけたから成功する」というのは、科学的には根拠がありません。 でも、「数珠をつけることで自信がつく」という効果は十分に考えられます。 だから、おじさんたちは数珠をやめられない。 僕も、たまたま問い合わせが増えた時のピアスを、なかなか外せない。 経営者にとって、「運を味方につける」という感覚は、理屈を超えて大事なんです。 もしあなたが「数珠おじさん」を見かけたら、「この人も経営者として戦ってるんだな……」と、ちょっと優しい気持ちで見守ってあげましょう。 |