山内マリコ氏 |
>47NEWS >なぜ、女性たちは遅行を離れるのか 作家の山内マリコさんの経験と14人のライフストーリーから浮かぶ、その理由とは 47NEWSによるストーリー・ 1時間・ > 「地方消滅」という言葉が、元岩手県知事の増田寛也さんによる編著書などで注目されてから約10年。 >減少し続ける若年女性の人口予測から全国の自治体の約半数が消えかねないと警鐘が鳴らされ、多くの自治体が少子化や人口減少の対策として、婚活事業などさまざまな施策で若い女性の流出を食い止めようとしてきたが、空回りを続けている。 > 女性の人口流出が顕著な富山県出身の作家・山内マリコさんは昨年、同じ富山県出身の社会学者・上野千鶴子さんらと共に、地元女性たちの声をすくい上げた『地方女子たちの選択』(桂書房)を出版した。 >女性たちは何を感じ、なぜ地方から離れようとするのか。 >山内さん自身の経験と、ライフヒストリーを聞き取った14人の声から見えてきた構造的な問題について話を聞いた。 >(共同通信編集委員 宮川さおり) > × × × > 『地方女子たちの選択』とは…山内マリコさんと社会学者の上野千鶴子さんの共著。 >富山を拠点にライターをする藤井聡子さんの協力により、富山市の小さな出版社・桂書房から2025年に刊行された。 >富山出身の女性14人の聞き取りを通じて、統計には表れにくい「嫁・娘・母」といった役割の押し付けや構造的な息苦しさを浮き彫りにした。 >行政主導の婚活支援などが当事者の実感からいかに乖離しているかを鋭く指摘しつつ、女性たちが自らの人生の主導権を取り戻すための視座を提示している。 > ◆自分の生き方を形づくった制約を自覚 > ―山内さんは、なぜ「地方の女性」というテーマを書き続けているのでしょうか。 > 「私は1980年に富山で生まれました。 >25歳で東京に出るまで、大阪や京都にも住みましたが、そうして拠点を移し、外から故郷を見つめ直したことで、知らないうちに自分が受けていた『生まれた場所や時代』の影響を相対化して捉えることができるようになりました。 >それが、このテーマに向き合うきっかけでした」 > 「自分がどんな環境にいて、何に縛られていたのかを知るには、一度その場所を離れるか、客観的な視点を持つことが不可欠でした。 >自分自身の足元を見つめ直した時、その制約は想像以上に自分の生き方を形づくっていると気づいたんです。 >小説ではこれまで、各地の読者が自分事として受け取ってくれるよう、どこにでもある地方の景色を描くことを大切にしてきました。 >国道沿いのチェーン店といった景色を描くことで、誰もが自分の街の話だと思えるようにしています」 > ◆変わらない〝産む存在〟としての視線 > ―『地方消滅』が注目されてから約10年。 >地方の現状をどう見ていますか。 > 「女性たちがおかれた状況はむしろ悪化していると感じます。 >この10年、行政や社会は若い女性を〝子どもを産む存在〟として見る傾向が続いてきました。 >出生率の数値を上げるための婚活支援には熱心ですが、その場所で女性が一人の人間としてどう生きていくか、という視点が抜け落ちています。 >政策を決める側の多くが中高年男性であるため、当事者の女性の声が十分に反映されていないのです。 >彼女たちはこうした状況を冷めた目で見ています」 > 「育児や介護、地域の行事は、根強い性別役割分担意識のもと、母親たちが仕事も抱えながら無償で支えてきました。 >大都市に比べて地方はその傾向が強い。 >男性側がその状況に甘え、不均衡が解消されないままでは、それに気づいた人たちが街を出ていくのは自然な結果と言えます」 > ◆「好きなことをしなさい」と背中を押してくれた母 > ―そうした旧来の構造が残る一方で、家族のあり方に変化の兆しはないのでしょうか。 > 「今回、富山の女性たちの声をまとめて浮かび上がったのは『嫁』や『母親』といった役割を負わされる息苦しさでした。 >一方で、自分を後回しにしてきた母親たちが『自分と同じ苦労をさせたくない』と、娘の背中を押している現状もあります。 >私の母も、かつては家事や育児を一手に引き受け、地域のしがらみの中で自分を抑えて生きてきた世代です。 >でも、そんな母が私に対しては『好きなことをしなさい』と言って、東京へ送り出してくれました。 >行政の施策よりも、かつて抑圧を経験した母親たちの個人的な愛情や、切実な願いこそが、今の世代の自由を支え、状況を少しずつ変えているのだと感じます」
切実な願いが大切ですね。
> ―山内さんご自身は、周囲の環境に違和感を覚えることはあったのでしょうか。 > 「私自身、30歳くらいまでこうした問題に無自覚でした。 >20代前半までは自覚がないまま過ごせる面がありますが、結婚や出産が現実味を帯びた途端、それははっきりとした『壁』や違和感となって現れます。 >そこで初めて、自分が置かれている構造に直面するんです」 > 「かつて女性たちは家庭の中で孤立し、自分の苦しみを個人の努力不足だと思い込まされてきました。 >でも、自分と同じような声を可視化し、それが社会構造の問題だと知ることで、ようやく自分を客観視できます。 >違和感に言葉を与えることができれば、それは自分を守る手段になります。 >自分を縛るもやもやしたものの正体を見極め、言語化していく。 >そのプロセスが、大切だと思っています」 > ◆多様な生き方を知り、選ぶ > ―今、地方で閉塞(へいそく)感を感じている女性たちに伝えたいことはありますか。 > 「地方を出ることが唯一の正解とは思いません。 >ただ、他の選択肢を知らないままとどまるのと、多様な生き方を知った上で地方を選ぶのとでは、人生の納得感が違います。 >冒険できるチャンスがあるなら思いきって外に出てみてほしい。 >経験を積んだ上で帰りたくなる場所なら最高です。 >女性が自分の人生の主導権を持つことの素晴らしさを、これからも小説で提示していきたいです」 > × × × > ■山内マリコさん略歴■ > やまうち・まりこ 「ここは退屈迎えに来て」でデビュー。 >他の著書に「あのこは貴族」「一心同体だった」など多数。 > 【地方からの女性の流出問題】 > 総務省が発表した最新の人口移動報告では、東京都への転入超過数が女性で約3万8千人に達し、男性を約1万人上回るなど、地方からの流出が鮮明になっている。 >背景には、地方における賃金格差や「やりがいのある仕事」の不足に加え、2025年版男女共同参画白書でも指摘された「男は仕事、女は家庭」という固定的な性別役割分担意識による閉塞感がある。 > 新潟県三条市のようにデジタル技術習得を支援してキャリアと子育ての両立を後押しする動きや、宮城県気仙沼市のように地域ぐるみでジェンダーギャップ解消に乗り出す自治体が増えており、女性が地元で自分らしく生きられる環境づくりが急務となっている。
昔は土地が人を生かしていた。だから、人は農地を求めて全国に広く散らばって生活していた。地方の特色は分散である。これは今では時代遅れの生活様式になっている。 各国とも外国に自国への資本の投資を呼びかけている。いわゆる資本主義である。今は会社が人を生かしている。だから、会社さえあれば高層ビルでの密集形態の生活も可能である。人は全国に分散して生活をする必要がない。
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