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6月4日、大日本報徳社(掛川報徳館)の常会が節目となる1700回目を迎えました。月1回の開催なので、1700回ということは、明治8年から141年も続いているということです。 常会は、榛村純一社長のこんな言葉から始まりました。 「一つの団体の常会がこれだけ続くのは珍しい。報徳は『明治維新』『終戦』『新自由主義』という、三つの大きな転機を乗り越えてきた。江戸時代の思想で現在も続いているのは『報徳』だけ」 そして、 「積小為大には二つの意味があります。一つはコツコツ努力すれば実を結ぶこと、もう一つは小さなことも集まると大きな力になるということ。この常会の積み重ねが、徳のある人、徳のあるまちを作り出しています。二十一世紀の社会で徳と仁をいかに実践するか、改めて見直したいと思いまする」と結びました。 記念すべき1700回の講演は、静岡県立大学名誉教授の高木桂蔵先生の「地域を見直す」です。 高木先生は、講演の中でこんなお話をされました。 「私が考える『報徳』とは、『自分にできることを一生懸命する』に尽きます。この考えが日本を支えてきました。報徳思想は、民間活力を生み、知的好奇心を高めます。20世紀、欧米の植民地支配が拡大していく中で、日本が植民地にならなかったのは大いに評価できること。それは、地方の学識が高かったからで、その一つが『報徳思想』があったからだと私は考えます。今なお『報徳』は経済復興のカギと言えます」 「二宮金次郎は小学校も出ていません。今でいえば『学歴ゼロ』。しかし、勉強して自分で考えて実践してきました。日本人は嫌なことでも一生懸命やって、損得抜きで社会の一員として行動できる。これは素晴らしいことです。金次郎は、そうした日本人の本質を理解していたのだと思います」 「報徳は人を育てます。実際、素晴らしい人材を輩出してきました。戦後日本の学校教育は『地域』の視点を忘れています。月に一度の常会が141年間も続いているのは素晴らしい。『続く』ということは、それだけで影響力があるということ。げんに、今日もこれだけの人が集まっています。一銭の得にもならないのに(笑)。自分の暮らすまちに1700回も続く会があること、人を育てる報徳があることを、大いに自慢していいと思います」 この常会には、個人社員、単位報徳社、一般参加者も含め140名の方が集まりました。高木先生のおっしゃるように、来ても一銭の得にもなりません。なのに、多くの人が来てくださる。 「得はあるのか?」 「メリットはあるか?」 など、直接的な効果や損得が追及される現代に、141年も続いている会があるというだけで、実は素晴らしいことなのかもしれません。 毎月コツコツ来ることで、自分の中に積み重なっていくものが確実にあるような気がします。そしてそれは、人として当たり前の「徳」や「仁」という言葉で表される、何かとても大切なもののような気がするのです。 |