今、仰徳学寮の第一会議室には、安居院義道庄七の「報徳」の書が飾られています。安居院義道庄七は言わずと知れた報徳を遠州に広めた人です。 「報徳」の書とともに、もう一幅あるは「倒せられし竹は其儘起かへりたふせし雪乃あとかたもなし」の書。 「冬の雪に倒された竹が、春のあたたかい日差しを受けて立ち上がろうとしている。竹を圧していた雪は、今は跡形もない」という意味の本門佛立宗の言葉です。 竹は真実の道をまっすぐ正直に生きている人で、雪はその人に降りかかる困難を表わしています。雪に負けずそれに耐えていれば、竹が力強く起き上がるように、自分を苦しめていた雪の方が消えななくなっていく、というもの。 安居院義道庄七がどんな状況で、どんな気持ちのときこの書を書いたのか、そんなことを想像しながら書を見つめるのも、なかなかいい時間です。 しばらくのあいだ事務室となりの第一会議室に展示していますので、本社にお越しの際はぜひご覧になっていただければと思います。 ※中央の「報徳訓」は岡田良一郎の書を写したものです。 |