2021年05月25日(火) 

 

>日本人は自分の人生を、人類の長い歴史の中のごく短い瞬間と考えています。  

 

日本語には時制がない。だから、過去の内容も未来の内容も脳裏に保持することは難しい。日本人にはただ現実だけがある。ナウな発言をする人間であります。    

フランク・ギブニー氏の著書 <人は城、人は石垣> には、以下のような指摘があります。  

日本語は英語のように、キチンとしたアリストテレス的文法に閉じこめられていない。言語として、日本語は「いま、ここ」に根ざしている。判断より気分に興味をもつ。意味より感受性に関心がある。英語を使うのは絶えず理論的な価値判断を行なう言語を使っていることであり、英語が価値判断を行わせる。一方、日本語は論理的、法的ないし哲学的判断を敬遠する。たとえば、日本語には “to be” に当る適当な動詞がない。”being” とか “reality” のような概念は明治時代、漢字から人工的につくらねばならなかった。「概念」 (concept) でさえ人工的につくらねばならなかった。  

司馬遼太郎は、<十六の話>に納められた「なによりも国語」の中で、片言隻句でない文章の重要性を強調しています。

「国語力を養う基本は、いかなる場合でも、『文章にして語れ』ということである。水、といえば水をもってきてもらえるような言語環境 (つまり単語のやりとりだけで意思が通じ合う環境) では、国語力は育たない。、、、、、、ながいセンテンスをきっちり言えるようにならなければ、大人になって、ひとの話もきけず、なにをいっているのかもわからず、そのために生涯のつまずきをすることも多い。」   

 

>この観点からすると、ある種の運命論は日本人にとって不思議なことではありません。>自分の人生の中でベストを尽くす、それだけのことなのです。  

 

そうですね。 <日本はなぜ敗れるのか・敗因21か条> を著した山本七平の指摘する事例からも、大和民族自滅の過程は見て取れます。その一例を以下に掲げます。

私が戦った相手、アメリカ軍は、常に方法を変えてきた。あの手がだめならこれ、この手がだめならあれ、と。 、、、、、あれが日本軍なら、五十万をおくってだめなら百万を送り、百万を送ってだめなら二百万をおくる。そして極限まで来て自滅するとき「やるだけのことはやった、思い残すことはない」と言うのであろう。 、、、、、 これらの言葉の中には「あらゆる方法を探求し、可能な方法論のすべてを試みた」という意味はない。ただある一方法を一方向に、極限まで繰り返し、その繰り返しのための損害の量と、その損害を克服するため投じつづけた量と、それを投ずるために払った犠牲に自己満足し、それで力を出しきったとして自己を正当化しているということだけであろう。(引用終り)   

 

>唯一無二の全能の神という概念も、日本人には馴染みがありません。  

 

そうですね。非現実 (考え) の世界であれば全知全能の神は考えられる。しかし、現実の中でそれを観察することは不可能である。日本人には現実があって非現実がない。だから、実学 (技術) があって、哲学 (考え) がない。そして、無哲学・能天気な人間になっている。        

 'どのような状況にも普遍的に通用する真理や法則、基本概念や倫理がありうるという考え方が、日本にはほとんど存在しない。' (カレル・ヴァン・ウォルフレン)   

‘周りの影響を受けずに、真に独立した考えができる知識人がいない。’ ( グレゴリー・クラーク)

 ‘日本人は政治にそれほど関心がないのに政府に依存し、国からの発言を待っている。’   (ウスビ・サコ)   

 

>人々は、美徳や実践的な模範に導かれて人生を生きています。

 

そうですね。日本人には哲学がなくて、処世術があります。   

 

>日本の企業では、経済的に困難な状況でも研究開発への投資率が常に高いこと、自己資本比率が高いこと、四半期ごとの利益よりも市場シェアの着実な拡大を優先することなど、長期的な志向性が見られます。  

 

日本人には長期的な展望などはありません。一寸先は闇です。しかし、日本人は序列人間であるために、自己の属する序列から抜け出すことが難しい。一旦出たら行きどころがない。それが最大の不安です。   

ヤドカリは甲殻類に属する節足動物で、外見は似ているが巻貝の殻の中に住んでいる。だから、彼らの生活には巻貝の殻がどうしても必要である。

日本人は序列人間であるから、どうしても自己の名を序列の中に差し挟むことが必要である。移り住むべき新しい序列を見つけることも非常に難しいので、今いる序列に強い帰属意識を持っている。だがそれは長期展望などのためではない。長期展望は常に想定外になっている。       

 

 

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閲覧数248 カテゴリアルバム コメント0 投稿日時2021/05/25 19:55
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