>東洋経済オンライン >「日本消滅」を避けるために取るべき未来への戦略 楽天・三木谷氏とサイバー藤田氏からの提言 > 三木谷 浩史,藤田 晋 2022/06/01 14:00 (略) >イーロン・マスク氏のツイート「日本はいずれ消滅する」がNHKで取り上げられるなど国内で大きなニュースとなった。 >人口減少の日本はこのまま衰退の一途をたどるしかないのか? >そこに異を唱えるのがマスク氏と同じく実業家の楽天会長兼社長の三木谷浩史氏とサイバーエージェント社長の藤田晋氏だ。 >2人が代表を務める新経済連盟が日本の未来戦略をまとめた新刊『JAPAN TRANSFORMATION(ジャパン・トランスフォーメーション) 日本の未来戦略』(KADOKAWA)から、人口減少に対する日本の打開策を紹介する。 >人口減少問題、海外人材にもっと任せたほうがいい >藤田晋(以下、藤田):デジタル人材の不足が、深刻な課題としてたびたび話題に上っています。 >対策としては、人口減の日本だけでまかなうのはもはや非現実的で、海外人材の活用、すなわち移民政策の推進が不可欠と提言し続けていますが、なかなか進みません。 (略) >三木谷浩史(以下、三木谷):移民政策に関してはいろいろな考えがあるとは思いますが、産業界は人材獲得の面でシビアな課題感をもっているので、ポジティブな意見も多いですよね。 >冷静に考えれば、日本人だけでこの国の経済を回していくのは不可能なのだという根本的な理解が社会全体で共有されれば、ぐんと進むのではないでしょうか。 >アメリカだって、 経済成長のパワーを支えているのは移民ですからね。 >藤田:そうですよね。 >三木谷:移民を受け入れようと決めて割り切ってしまえば、日本にはものすごく可能性があるともいえます。 >人口を吸収できる余地もありますし。 >移民を入れれば、「アニマルスピリッツ」(編集部注:野心的な意欲。経済学者のケインズが使用した言葉で、不確実な状況下を切り抜ける企業の経済活動の原動力になるもの)をもつ人材も、移民の中から出てくると思います。 >実際のところ、経済的にも成熟して、大学進学率も高くなった今の日本人の社会から、ハングリーな人材はなかなか出てこないですよね。 >藤田:楽天さんはすでに海外人材を多く採用していますよね。 >うちはまだそこまでできていなくて、当社が運営するサッカーチーム(FC町田ゼルビア)の監督に外国人を迎えたくらいで……(笑)。 >そう考えると、サッカー界のほうが、産業界より進んでいますね。 >トップが外国人、という選択肢もあっていい >三木谷:楽天モバイルのCEOをヨルダン出身のタレック・アミンにお願いすることにしました。 >彼はアメリカ、インドのモバイル畑を渡り歩いて、この世界ではおそらくグローバルで10本の指に入るほどの人間です。 (略) >僕はモバイルの素人ですから、自分より詳しい人にやってもらうほうがいいに決まっているんですよ。 >すぐれた人材を求めるときに、日本国内だけで探すのか、世界から探すのか。 >当然、世界から探すほうがいいに決まっていますよね。
我が国には人手不足はあるが、頭脳不足の話は聞いたことが無い。
>藤田:なるほど、そうなると人材起用の幅も広がりますね。 >三木谷:タレックを見ていて感動するのは、やっぱり発想がダイナミックなんですよ。 >いろんな国でいろんな経験をしてきた人間は発想の仕方が違うなと、いつも感心しています。 >だから、日本の企業や公的機関のリーダーに外国人を登用する動きはもっと活発化したらいいんじゃないかと思いますね。 >イギリスの日本郵便にあたるロイヤルメールという会社で、民営化という大改革を担ったCEOはカナダ人の女性でしたしね。 >デジタル庁のトップも外国人を選んだってよかったはずです。 >「公務員は日本人じゃないといけない」というルールは本当に必要なのか疑問ですね。 >優秀な人材をより広い世界か ら集めたほうが、日本のためになると思いますよ。 >藤田:スタートアップ環境も三木谷さんが起業された頃や僕が起業した頃に比べるとずいぶんとよくなりましたし、起業家に対する世間の目も温かくなりましたよね。 >でも、昇龍の勢いで経済が発展していたら、日本からユニコーン企業がもっと生まれていただろうと。 >そう思いませんか。 >三木谷:間違いないですよね。 >経済が発展するには人口増が必須の基盤となります。 >日本人が増えるための少子化対策はもちろんやっていくべきだけれど、それだけでは全然足りない。 >となると、次なる打ち手はやはり移民政策になる。 >でも嫌がる人が多いですよね。 >三木谷:今の時点ではそうですが、変わる可能性は十分にあります。 >郵政民営化のときもそうでしたが、日本人はかなり保守的とはいえ、短刀を首に突きつけられて「未来のために、どっちか選べ」と迫られたときには正しい選択をする力があると思っています。 >衰退を選ぶのか、発展を選ぶのか。 >未来のビジョンを提示して選択を迫るリーダーが出てきてほしいと願うばかりです。 >日本と世界との実力差はそれほどない >藤田:世界に挑んで、勝てるスタートアップを日本からもっと生み出すために必要なものは何か。 >僕は、それが進まない理由として、「日本の市場がそこそこ大きい」という背景があるんじゃないかと感じています。 >国内である程度稼ぐことができるから、ドメスティックな戦略に向いてしまうのではないかと。
日本人は常に内向き志向ですね。
>コンテンツ産業はまさにその傾向が顕著だと思うのですが、日本向けの作品をつくっていれば、ある程度視聴されるからそこで満足してしまう。 >でも世界に目を向ければ、グローバルで観られることを前提に巨額の予算を投じているハリウッドやNetflixが非常に伸びていて、圧倒的な差をつけられている。 >この「市場規模そこそこ問題」から脱する必要があるのではないでしょうか。 >英語圏のグローバル市場で稼ぐことを前提に戦略を練ってうまくいったら、相当数字を上げられるだろうなと。 >僕もそうなりたいと夢を見ているわけですが。
>三木谷浩史(みきたに・ひろし) 楽天グループ代表取締役会長兼社長/新経済連盟代表理事。1965年神戸市生まれ。 >一橋大学卒業後、日本興業銀行に入行。 >ハーバード大学にてMBA取得。 >興銀を退職後、1996年クリムゾングループを設立。 >1997年エム・ディー・エム(現・楽天グループ)を設立し、同年インターネット・ショッピングモール「楽天市場」を開設。 >楽天野球団代表取締役会長兼オーナー、楽天ヴィッセル神戸代表取締役会長、東フィルハーモニー交響楽団理事長
(略) >三木谷:グローバルスケールでビジネスを考える力を磨くこと。 >これが出発点ですよね。 >最近、楽天シンフォニーという会社で通信事業者向けのプラットフォームの輸出を始めたのですが、予想を上回るペースで世界中から注文を受けて、すでに3500億円規模の事業に成長しています。 >うれしい半面、「これは日本人だけだったらできなかったな」という敗北感もあるんです。 >(楽天モバイル新CEOの)タレックや、彼と一緒にやっているセールスパーソンのように、グローバルスケールでビジネス戦略を練られる人物がいたからこそできたことだなと。 >やっぱりそういうリーダーがいる企業に、巨大な資本が集まってくる。アマゾンやテスラの成功例を見てもそれは明白です。 >けれど、今の日本の経営者の実力が、世界の巨大企業の経営者に全然敵わないかというと、決してそうではないと僕は思っています。 >悲観することはない。 >実力差はあるかもしれないけれど、サッカーで言うところの日本のストライカーとメッシほどの差はないでしょう(笑)。 >藤田さんもハリウッドに引っ越しましょう >藤田:たしかに、わかりやすい例ですね(笑)。 >三木谷:ちょっとした考え方とか工夫とか経験の差とか。 >その程度の違いだと思っています。
>藤田 晋(ふじた・すすむ) サイバーエージェント代表取締役/新経済連盟副代表理事。 >1973年、福井県生まれ。 >株式会社サイバーエージェントを98年に創業し、2000年に史上最年少社長(当時)として東証マザーズに上場。 >インターネット産業で高い成長を遂げる会社づくりを目指し、「21世紀を代表する会社を創る」をビジョンに、新しい未来のテレビ「ABEMA」、インターネット広告、スマートフォンゲームなど革新的なビジネスを数多く手がける。 >一般社団法人Mリーグ機構代表理事 (略)
>藤田:環境の違いもありますね。 >三木谷:そうです。 >グローバル基準でものを考えられる優秀な人材が集まる環境で切磋琢磨していたら、自然とグローバル思考が身に付きますよね。 >ソニーがグローバル企業になれたのは、創業者の盛田昭夫さんが一時期ニューヨークに拠点を移し、世界の最先端ビジネスが集まる環境に身を置いた経験が大きかったはずです。 >ということで、藤田さんも世界のメディア産業に挑むなら、そろそろハリウッドに引っ越しましょう。 >藤田:僕ですか(笑)。 >三木谷さんは結構、アメリカに行っていますよね。 >三木谷:そうですね。 >コロナ禍でストップがかかってしまいましたが、一時期はシリコンバレーで年間の6割を過ごしていました。 >それがあったから、海外展開を加速できたという実感はありますね。 >エンジニアの8割が外国人になった楽天 >藤田:「社内の英語公用語化」も話題になりましたが、社員の皆さんの意識は変わりましたか? >三木谷:変わったと思います。 >各事業の目標を立てる際にも、海外でビジネスを広げる想定で話がかなり進むようになりました。 >今では6000人いるエンジニアのうち8割が外国人ですから。
我々日本人は日本語と英語の両言語を良く学び、思考における時制の大切さを十分に理解する必要がありますね。英語にある時制 (tense) を使った考え方を会得すれば、我々は自己の意思 (will) を明らかにすることも可能になるし、自分自身の世界観 (world view) を持つことも出来ます。さすれば我々は国際社会において相手の理解も得られ、未来社会の建設に協力することも可能になります。かくして、我々日本人は、人類の進歩に一層の貢献が可能になるでしょう。 『有能な人材が世界から日本に集まり、ここで世界に向けてサクセスストーリーが生まれるという国家を目指すべきです。 このための具体的な政策課題として (1)英語を第2公用語にする (2)定住外国人に地方参政権を与える (3)インターネットの接続料はじめ知的生産活動の基本コストを諸外国並みにする (4)日本の制度やシステムの中で国際基準と合致しないものを一括して見直す―の4点を提案したいと思います。』 (茂木敏充外務大臣) 我が国の ‘かな漢字’ は世界中何処の国に行っても通用しない。特にローマ字 (alphabet) の代わりに仮名を使用することには害毒がある。仮名漢字表記による学習で自分は世界に通じていると思い込む。だが、これは事実ではない。勝手な解釈により世界に関する独りよがりの解釈は避けられない。私は宿泊先のアメリカ人の名前は知っている。しかし、その綴り方は分からない。つづり字を考えることのない日本人の記憶方法だからである。このような文盲に近い体験の仕方では外国人との文通もできない。地図を見て探すことも難しい。かな書き英語が我が国民の国際化を果てしなく遠ざけているということができる。 国語の勉強は読み書きの練習である。ところが、日本語のかな漢字表記は難しい。特に漢字の字形と音訓の習得に月日を費やし、目的の勉学の成果が遅れている。私の知人に '〇〇健' という名前の人がいる。彼は周りの人から 'タケちゃん' とか、'ケンちゃん' とか呼ばれている。'一体どちらが本当なのか' と私が尋ねると、彼は 'どちらでも良いのですよ' と答える。'でも、戸籍ではどうなっているのか' と尋ねると、'戸籍にはフリガナがありませんから、どう読んでも良いのですよ' という答えであった。これを '日本人の自由' というのであろうか。'あるべき姿' の追及がない。だから表記法の改革も進まない。とりわけ漢字圏以外の国から来た外国人には日本語の漢字は難しい。日本語をローマ字表記にすれば彼らもたちどころに日本語を読めるようになる。読み書きが自由になると一人前の大人として活躍できる。筆記試験でも真の実力が発揮できる。外国人の能力に関してより公平な評価をする社会が我が国内に実現する。ぜひローマ字表記を法制化してもらいたい。 為せば成る。為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり。 (上杉鷹山)
>藤田:そんなにいるんですか。 >すごいですね。 >三木谷:増えましたね。 >エンジニアの大多数が外国人なのに、「戦略立ては日本語でやります」というのは不自然なわけです。 >英語の公用語化はどんどん進んでいきますよね。 >藤田:業績が伸びていることが、一連の取り組みが間違っていないことを証明していますよね。 >三木谷:まだまだですけどね。 >今は女性と技術者の執行役員を増やすことに注力しています。 >将来的には執行役員の半数を女性、もう半数を技術者にしたいと考えています。 >藤田:進んでいますね。 >うちも5割とまではいかなくても、女性役員比率3割の目標を掲げています。 >ある程度のルールで縛らないと、風景は変わっていきませんから。 >三木谷:外国人比率も意識的に高めていくことが重要だと思います。 >僕の実感としては、組織自体を国際化していかないと、日本のサービス企業は国際化しづらい。 >モノをつくって売る製造業ならドメスティックな組織でも世界で勝てたかもしれませんが、サービス産業でそれは難しい。 >藤田:たしかに、リクルートもアメリカ企業のIndeedを買収してからの海外売上の勢いがすごい。 >組織のグローバル化によって、世界を舞台に稼げる可能性はぐんと広がるということですね。 >三木谷:次の社長も海外から探せばいいんですよ。 >海外に目を向ければ、やれることはたくさんあります。 >日本の産業界は世界と比べて変化するスピードが遅いという課題はあるけれど、逆に言えば、まだまだ変われるポテンシャルはあります。 >そうやって挑戦していくことが、世の中を変えるベクトルをつくることにもなる。 >あきらめずに、ぜひ粘り強くやっていきましょう。
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