>やたらと会議を繰り返す日本企業から、即決する米国企業に移って覚えた違和感 >弁護士ドットコムニュース によるストーリー • 4 時間前 >日本企業がバブル崩壊以降に活力を失い、「失われた30年」とも言われる中で、何かと「アメリカでは」と、米国流の経営をもてはやす意見がいまも絶えない。 >では、実際に米国企業の中枢に入り、トップマネジメントの意思決定を目の当たりにしたら、日本とのどのような違いが見えてくるのか。 >事業再生の専門家であり、ミスミグループ本社名誉会長である三枝将氏が上梓した「決定版 戦略プロフェッショナル 戦略独創経営を拓く」より一部抜粋・再編集して、三枝氏がかつて体験した現場感覚をお届けしたい。 >そこには、今も昔も変わらない、国による組織文化の違いがあった。 (略) >●日本企業では到底考えられないスピード感 >その研究所は、本社から車で30分ほどのところにあり、まだ会社が小さかった頃、本社として使っていた古い建物だった。 >約400人の研究員が働いていた。 >黒岩の顔を見た途端、露骨に感情を顔に出す米国人もいた。 >しかし、彼がA社長のアシスタントだと知ると、そんな人に限って、コロリと親切になった。 >彼の肩書は、助さん格さんが振りかざす水戸黄門の印籠くらい効き目があった。 >米国にも現金な連中がたくさんいるということだ。 >黒岩が作り上げた研究開発の研究テーマ連関図は、それまで研究所の人たちが見たことのない詳細な図だった。 >彼ら自身が、エッ、こんなところでこんなことをやっているのかという気づきや、複数の部署で似たテーマの研究がバラバラに行われているムダが見えた。 >黒岩は予定通り分析をまとめ、改善の意見をA社長に提出した。 >彼は、A社長がその資料を参考にしながら研究所の幹部たちとさらに細かい検討をするのだろうと思っていた。 >黒岩はA社長から命じられていた別のプロジェクトのために、翌日、ヨーロッパへの出張に出かけた。 >2週間後に戻ってくると、変な噂を耳にした。 >本社の研究担当重役や幹部に大規模な人事異動と組織変更が発令されたというのだ。 >おかしな予感がした。 >すぐにA社長に会いに行った。 >黒岩の予感は当たっていた。 >A社長は「君の仕事はよくできていた。 >ありがとう」と言った。 >つまり、この多国籍企業の頂点に立つパワフルな社長は、黒岩が一瞬のまばたきをしている間に、彼の報告したことを実行に移してしまったのである。 >黒岩は驚いた。 >一人のスタッフの仕事が、全社経営に及ぼす凄まじいインパクト。 >しかも外から来てまだ間もない社長直属の日本人の提言が、これほど簡単に実行に移されるのか。 >この変更によって、米国人幹部の何人かは人生が変わったかもしれない。 >黒岩はあくまで社長の黒子であり、何の決定にも参加していない。 >しかしまるで自分自身がパワフルな権力者になったような錯覚を覚えた。 >日本企業の経営では、到底考えられないスピード感だった。
そうですね。日本人はconsensus democracy を必要としますからね。
>●カフェテリアで朝食を取りながら「大ざっぱ」な意思決定 >約1年間、黒岩莞太はA社長から他にもさまざまな任務を与えられた。 >あるときは、業績不調のイタリア子会社を閉鎖するかどうか決めるため、イタリアへの派遣チームに加わった。 >低課税国でのメリットを得るために作った工場群を見るために、プエルトリコに行ったこともあった。 >あるいは日本の外資系企業から売りに出された小さな工場を買収するかどうか決めるため、幹部数名と日本に飛び、関西で現地調査をしたこともあった。 >こうした仕事を通じて、黒岩は米国企業の経営トップの考え方や決定に触れ、多くの学びと教訓を得た。 >しかしその経験の中で、彼が違和感をもったこともあった。 >米国企業の社長の意思決定の速さには、確かに驚かされた。 >だが同時に「変だな」と感じることもあった。 >正直に言えば、その決め方が「意外に大ざっぱ」という印象を抱いたのである。 >簡単に決めるというパターンの典型は、アシスタントである黒岩莞太が持株会社のA社長と国際事業部門のB社長に連絡し、朝一番に会社のカフェテリアで会い、3人で朝食を取りながら何かを決めてしまうことだった。 >それが会社としての決定になった。
そうですね。それは最高責任者が決めることですからね。
>若手で、しかも外国人と呼べる黒岩の立場で、2人の社長を招集することも、3人でトーストをかじりながら何かを決めてしまうことも、ほとんど冗談のような情景だった。 >●即断即決の裏側にあるリスク、無責任体質 >つまり、米国で黒岩莞太が見たのは「少人数で相談し、粗っぽい裏付けでもそれでヨシとして、その場でトップが決定を下す。 >下の社員は『デシジョンが下された』と言ってそれに従う。
そうですね。社員は社長の責任体制のもとにありますからね。
>後で蒸し返すことはしない」というパターンだ。
そうですね。タラレバの話は長くなりますからね。
>一方、日本企業における一番悪い決定パターンをあえて言えば、「裏付けをとるために些細なことまで調べるのにやたら時間をかけ、そのため社員にたくさん残業をさせ、さして重要でもない関係者まで集めて会議を行い、その人たちは黙って聞いているだけで何も言わず、同じような会議を何度か繰り返していると、最終的にようやく議論が結論らしきものに収斂していき、それをもって決定とする」。
それは伝統ある捕り物帳の形式ですね。
>日本における非効率手順と言えばこの流れだ。 >上の者がさっさと決断すれば、それにかける人件費の削減と時間短縮が図られ、組織の動きもよくなる。 >経営スピードにおけるこの日米の違いは、組織コストと時間短縮においてかなりの違いを生む。
そうですね。日本人には意思がない。だから意思決定の時には時間がかかる。そして意思決定はできないから恣意決定をする。これは盲目の判断であるから非常に危険ですね。 日本人には意思 (will) がない。つまり、無心である。意思は英語の未来時制の文の内容であるが、日本語の文法には時制 (tense) というものがないので、日本人には意思がない。 ものを言ってもそれが行動には繋がらない。だから、結果的に ‘うそぶく’ 人ということになる。これが、相手に不信の念をいだかせる。考えがあり、その実現に強い意思 (能動) を示すという手順がわが国には存在しない。 意思のあるところに方法 (仕方) がある。Where there's a will, there's a way. 日本人には意思がないので仕方なく無為無策でいる。それで、おとなしい。優柔不断・意志薄弱に見える。能動がなくて受動ばかりの生活を送っている。困った時には '他力本願・神頼み' になる。生きる力 (vitality) が不足している。だから戦時中は、玉砕するまで戦い抜いた日本兵であった。 ' やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かず' 山本五十六 (やまもと いそろく) どうやら 我々は '指示待ち人間' として育成されていたようです。このやりかたに習熟すると、他人の受け売りと後追いの専門家になりますね。我が道を行く人にはなりませんね。未来を先取りしないから他人を唱道する人にはなれません。
>ただ、黒岩は手放しで米国経営を賞賛するのではない。 >速く決めれば効率は良く見えるが、その陰で何か大切な要素を見逃すリスクを冒しているのではないかと、疑問に感じることがあったからだ。
米国では何かあれば責任者はその責任をとらされますね。 国がひっくり返ってもその責任者が見つからないということはない。
>黒岩は日米の組織の違いを論ずる上で、この意思決定に関する観察は見逃せない論点だと考えてきた。
そうですね。個人の意思は大切ですね。
>もう一つ、米国の経営で黒岩が違和感を覚えたのは、幹部や社員が会社を辞めるときの、無責任な辞め方だった。
彼等の社会は序列社会ではありませんからね。序列社会に対する帰属意識も持っていませんね。
>その弊害は、それを身近で見たことのない日本人には、想像ができない。 >大した引き継ぎもせずに人が消えてしまう。
彼らは自由ですからね。アメリカ社会は人材に流動性がありますね。
>ひどいときは部下と一緒にグループでゴソッと消えてしまい、しかも、時には競争相手の会社に行ってしまう。
彼らは自由ですからね。
>このように、黒岩が米国企業内部に入り込み、持株会社のA社長の補佐というポジションで働いてみると、普通の日本人なら体感できない米国経営の一面に触れ、多くの発見があった。
そうですね。それは貴重な発見ですね。義理と人情の世の中ばかりが世の中ではないということですね。
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