2023年09月30日(土) 

 

>2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は世界を大きく揺るがし、今なお戦闘が終わる気配はありません。   

>日本を含む西側諸国はロシアの蛮行を非難し続けていますが、それだけで停戦は実現できるのでしょうか。   

>作家で元外交官主任分析官の佐藤優氏は、戦争を止めるにはロシア人の内在論理を知ることが重要であり、それにはドストエフスキーの世界的名著である『カラマーゾフの兄弟』を読むことが最適だと主張します。   

>そこではいったい何が描かれ、何が語られているのでしょうか。   

>『これならわかる「カラマーゾフの兄弟」』から抜粋してお伝えします。   

>ロシアはもともと「閉ざされた国」だった   

>2021年はドストエフスキーの生誕200年。   

>翌年2月24日にはウクライナ戦争が始まったこともあり、ロシア文学への関心が高まってきているように感じます。   

>ドストエフスキー作品には現代を生きるうえでのヒントが凝縮されており、不安定な時代にこそ注目を浴びます。   

>それに加えて、いまドストエフスキーの長編小説『カラマーゾフの兄弟』を読むべき理由があります。   

>ロシアとロシア人の内在的論理を知るためです。   

>2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻は、歴史の転換点となる大事件だと言えます。   

>ロシアはこれをウクライナに住むロシア系住民をネオナチ政権(ゼレンスキー政権のこと)から保護するための「特別軍事作戦」だと主張していますが、客観的に見て戦争です。   

>ロシアの行為は、ウクライナの主権と領土の一体性を毀損する国際法に違反する行為だと言えるでしょう。   

>しかし、プーチン大統領らロシア指導部だけでなく、大多数のロシア人もこの戦争はアメリカなど西側連合によるロシア国家解体の陰謀を阻止するために必要だと考えています。   

>このロシア人特有の奇妙な論理を理解するには、『カラマーゾフの兄弟』の登場人物の心情を追体験することが効果的です。   

>ロシアの特徴は、政治的、文化的、宗教的に完結した空間を形成しているところにあります。   

>言い換えるなら、ロシアは「閉ざされた世界」なのです。   

>帝政時代、ソ連時代を含めて閉ざされているのが常態だったこの帝国を変化させたのが、1985年にソ連共産党書記長に就いたゴルバチョフ。   

>ゴルバチョフはペレストロイカ(立て直し)政策を進め、外部世界への扉を少しずつ開き始めたのです。   

>ところが、「開かれた世界」と相性のよくないソ連は、1991年12月に崩壊(実態は自壊)しました。   

>旧ソ連は15の主権国家に分裂し、ロシアはエリツィン大統領の指導下で外部世界への扉を全開にしたのです。   

>その結果、政治、経済、社会のすべてに大混乱が生じました。   

>現在のロシア人は、ソ連時代末期とエリツィン時代を「混乱の90年代」と否定的に評価しています。   

>エリツィンの後継者として2000年に大統領に就任したプーチンは、扉を徐々に閉じ始めました。   

 

それは西側との対決の再開ですね。   

 

>そして2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻で、扉はほぼ閉ざされてしまいました。   

 

このような調子では西欧諸国との折り合いは付けられませんね。開国を要求するアメリカからの黒船は来ないですかね。      

 

>今になって振り返ると、1985年から2022年までの37年間は、ロシア史において外部世界に扉が開かれていた例外的な時代だったのです。   

>「閉ざされた世界」に戻ってしまったロシア人の価値観や心情を知るには、ドストエフスキーの小説に新たな光を当てる必要があると私は考えています。   

>プーチンは21世紀の大審問官   

>率直に言って、『カラマーゾフの兄弟』にまともな人物はほとんど出てきません。   

>しかし、一見奇怪に見える言動をする人にも、その人なりの論理があります。   

>それをつかむことができれば、私たちにとって他者であるロシア人とその集合体としてのロシアを理解することができるのです。   

>『カラマーゾフの兄弟』で特に難解だと言われるのが「大審問官」の部分ですが、プーチンについても、21世紀の大審問官だととらえれば、その内在的論理は理解可能になります。   

>大審問官は兄弟のひとりであるイワンが創作した物語中に現れます。   

>大審問官とは、ローマ教皇を選ぶ権利を持つ高位聖職者たちのことで、枢機卿とも言えます。   

>ローマ教皇は枢機卿の中から互選されますから、ローマ教皇になる資格のある超幹部だということです。   

>物語では、16世紀スペインのセヴィリア、異端審問のさなかに「彼」が現れます(キリストとは明言されていません)。   

>その正体はすぐ気づかれ、男は集まる群衆に奇跡を起こす。   

>ところが老いた大審問官は彼を逮捕させ、火あぶりを宣告します。   

><原著からの引用>   

>『おまえはすべてを法王にゆだねた。   

>すべてはいまや法王のもとにあるのだから、おまえはもうまったく来てくれなくていい、少なくとも、しかるべきときが来るまでわれわれの邪魔はするな』   

>『カラマーゾフの兄弟』(光文社古典新訳文庫・2巻より引用[以下同])   

>ドストエフスキーはここで、「代行システム」について書いています。   

>代行システムとは国家、政治家、官僚なりが民衆をすべて代行していくという考えで、この代行主義が民主主義の本質です。   

 

代行主義は独裁政権の言換えにすぎませんね。これにより民主主義は権威主義に置き換えられていますね。      

 

>そして、これによって、人間が持つ根源的な自由が失われていると述べています。   

>自由を欲しがる人間たちに自由を与えたが…   

><原著からの引用>   

>人間は単純で、生まれつき恥知らずときているから、その約束の意味がわからずに、かえって恐れおののくばかりだった。   

>なぜなら人間にとって、人間社会にとって、自由ほど耐えがたいものはいまだかつて何もなかったからだ!   

>自由を欲しがる人間たちに自由を与えたが、人間は自由をうまく行使することができないじゃないかと言っています。   

>自由ほど耐えがたいものはこれまでなかったと。   

 

ロシア人にはリーズン (理性・理由・適当) がないからですね。リーズナブルな判断は考えられないですね。      

 

><原著からの引用>   

>こうして、ついに自分から悟るのだ。   

>自由と、地上に十分にゆきわたるパンは、両立しがたいものなのだということを。   

>なぜなら、彼らはたとえ何があろうと、おたがい同士、分け合うということを知らないからだ!   

 

折角の資源大国も宝の持ち腐れになってしまいますね。   

 

>また、食べ物がたくさんあったとしても、人間はたがいに分けあたえることができない。   

>腐らせたとしても全部自分で囲ってしまうのが人間だ。   

>だから強制的に分配しないといけない。   

>自由のままにしておいたら、1人で全部囲ってしまう。   

>こう言っています。   

 

ロシア人は恣意 (私意・我儘・身勝手) の自由しか考えられないのですかね。   

 

>資本主義社会では、資本が自己増殖してどんどん拡大していきます。   

>資本主義は何らかの相当に強い力が働かないとその動きを止めません。   

>強い力とは何かと言えば、国家権力ということになります。   

>人間とはそういう存在だから、自由を追求するととんでもないことになる。   

 

そうですね。’不自由を常と思えば不足なし’ ですね。    

 

>それを力によって抑えつけないと、すべての人間にパンが行き渡る生活を保障できるようにはならない。   

 

情けない人間の性質ですね。   

 

>そのために、人間から自由を取り上げなければならないというのが大審問官の主張です。   

 

ロシア人に ‘win-win’ の対人関係は考えられないのですかね。   

 

>これは、プーチンと現代ロシア人の関係にも通じるところがあるのではないでしょうか。   

 

そうですね。彼は人民に支持されていますね。      

 

><原著からの引用>   

>ここでは、だれもが幸せになり、(中略)反乱を起こしたり、たがいを滅ぼしあったりする者もいない。   

>そう、われわれは彼らに言い聞かせてやるのだ。   

>われわれに自由を差しだし、われわれに屈服したときに、はじめて自由になれるのだとな。   

>自分の自由を差し出して屈服したときに自由を得ると、逆説的に言っています。   

>自由についていろいろ考えるのは大変だから、おまえを自由から外してあげよう。  

 

恣意 (私意・我儘・身勝手) の自由は ‘自由の履きちがえ’ となりますからね。   

 

>そうすることで自由になれるよと言っているのです。   

>つまり自由=隷従。人間は、イエス・キリストに従うことで真の自由を得るのだというキリスト教の基本的な考え方です。  

 

現在は ‘神は死んだ’ の時代ですけれどもね。自由=隷属は考えが古いですね。      

 

>でも、隷従、服従こそ自由であるなら、それは独裁者の論を補強することにもなりえます。  

 

下々は何をしでかすか分かりませんからね。下々は信用ならない。不信の世の中ですから、独裁者は必要悪ですね。      

 

>キリスト教になじみがない日本人にとって「大審問官」は難解だとよく言われますが、そんなことはありません。   

>「大審問官」は、ドストエフスキーの仮説上の自由をめぐる討論です。   

>人間にとって自由とはどういうことか、はたして人間は自由に耐えうるのか。   

>これが根源的な問題となっています。   

>ポイントとなる箇所をていねいに読む   

>「『カラマーゾフの兄弟』を読み切るコツはありますか」と聞かれることがありますが、コツがあるとすれば、ひたすら読むということです。   

>禅問答のように感じるかもしれませんが、それが唯一のコツなのです。   

>また、ドストエフスキーのほかの作品にも共通しますが、長編をザーッと読めるようになるには、まずゆっくり読む箇所を決めることが大切です。   

>『カラマーゾフの兄弟』で言えば、大審問官とゾシマ長老の来歴に関する第2部です。    

>その部分を丁寧に読んでいくこと、そして作品内容について詳しい人の解説を受けながら読んでいくことが後々の速読、多読につながります。   

>はじめは進みが遅くても、読み進めるにつれ頭のなかに情景が浮かぶようになり、ある地点からは読むスピードと理解が加速度的に進んでいくのが『カラマーゾフの兄弟』の特徴です。   

>その世界への一歩を踏み出してみてください。   

 

 

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閲覧数129 カテゴリアルバム コメント0 投稿日時2023/09/30 16:27
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