2025年 5月

27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
■バックナンバー
■RSSフィード
RSS 1.0 RSS 2.0 Atom 1.0
■このブログのURL
https://e-jan.kakegawa-net.jp/blog/blog.php?key=717548
2014年04月30日(水) 
  おまえと俺が兄弟分だったのは昔のことだ。
  今はおまえは堅気の商人(あきんど)だぞ。
第33作『男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎』から
 第1作『男はつらいよ』のラスト近く、寅さんは舎弟・川又登(津坂匡章、現・秋野太作)に厳しく説教をします。寅さんと旅を続けるつもりの登に、「これから一体どうするつもりなんだい、おまえ、俺みてえになりてえのか」と寅さん。若い登を心配してのことです。
 20年ぶりに故郷に帰った寅さんは、心のどこかで堅気に戻りたいと思っていたのかもしれません。父親と大げんかをして家出をして、テキ屋の世界に入ってきた登は、若い頃の寅さんと同じ境遇です。そんな寅さんは心を鬼にして、登に故郷への切符を渡し「親孝行をしろ」と決別を宣言します。二人はそんなやりとりを幾度となく繰り返してきました。
 ところで『沓掛(くつかけ)時次郎 遊侠(ゆうきょう)一匹』(1966年・加藤泰監督)という傑作時代劇があります。侠客に憧れる渥美清さんふんする身延の朝吉を、兄貴分の時次郎(中村錦之助)が、「身延に帰って百姓に戻ったらどうだい」と諭します。
 「男はつらいよ」前夜の作品ということもあり、ぼくは『遊侠一匹』を見るたびに、朝吉が寅さんの放浪時代に思えてなりません。自分のように中途半端な生き方だけはしてほしくないという、兄貴分の自戒の念が感じられるからです。
 第10作『寅次郎夢枕』以来、姿を見せなかった登ですが、第33作『夜霧にむせぶ寅次郎』で久しぶりに登場します。盛岡城址公園で、寅さんが啖呵売をしていると、小さな女の子を連れた登が声をかけます。再会を喜ぶ登に、寅さんは「おまえと俺が兄弟分だったのは昔のことだ」ときっぱり。それが『夜霧にむせぶ寅次郎』のテーマにつながってゆくのです。
 その後、寅さんは釧路でフーテンを気取った小暮風子(中原理恵)と出会います。居場所がなく放浪癖のある風子は、「寅さんと一緒に勝手気ままな旅がしたい」と言い出します。しかし寅さんは、かつてさくらに言われた「こんな暮らしを続けていたら、そのうちきっと、お兄ちゃん後悔するわよ」ということばを風子に伝えます。
 風子への言葉遣いや表情は優しい寅さんですが、かつて登を説教したときと同じ、若者への厳しい気持ちがあるのです。
 ×           ×
 誤字脱字写し間違いあります。

閲覧数841 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2014/04/30 11:43
公開範囲外部公開
コメント(0)
  • 次項有コメントを送信
    閉じる
    名前 E-Mail
    URL:
■プロフィール
まーちゃさん
[一言]
■この日はどんな日
ほかの[ 04月30日 ]のブログは、
■最近のファイル
■最近のコメント
■最近の書き込み