豊かな森林に恵まれた福島県は、キノコの一大産地として知られていたが、原発事故が起き、キノコは最も放射性物質が残りやすい食品という悪評にさらされた。生産現場では、この窮地を乗り越えるため工夫を重ねている。 野生キノコは今年7月現在で出荷が認められているのは、会津地方の南会津町、金山町、檜枝岐(ひのえまた)村、湯川村だけ。これ以外の地域では採取禁止だ。栽培キノコはシイタケを例にとると、原木に植え付けた原木シイタケと、おがくずブロックに植え付けた菌床シイタケがあり、原木の場合、露地と施設で栽培されたものがある。合計三タイプに分類されることになり、それぞれのタイプで出荷制限の区域が違う。 もっとも安全な菌床シイタケは、福島県全域で出荷制限はない。天栄村で菌床シイタケを生産する大野一宏さん(60)は「一番神経を使うのは菌床つくりだね」と話す。他県産のナラなどのおが粉に米ぬか、栄養剤などを入れて成形するが、放射性セシウムを吸着するゼオライトも混ぜあわせる。完成した菌床は、県林業研究センターで検査をしてもらう。 国が定めた放射性物質に対する菌床の指標値は1キログラムあたり200ベクレルで、この値を超過すれば使えない。さらに育てたシイタケが100ベクレルを超えれば出荷できない。二重のハードルを越えてきた。 「震災のときは、ひっくり返ったハウスの中を見て、人間やめようかと思いました。嫁に『あんた、死んでどうするの』といわれて、われに返った」と話す。シイタケの価格は震災前の六割ほどだ。「首都圏の消費者は、随分戻ってきてくれたけど、関西方面の反応はまだまだ。福島の水は最高にうまい。この水を使っているからシイタケもうまい」と消費拡大に期待を寄せた。 鍋の季節。福島のキノコについて、正しい知識と情報を持って判断してほしい。 (福島特別支局・坂本充孝)
× ×写し間違えあります。
生産者の皆さんの苦労がわかります。原発さえ無かったならと・・・・・
<年末年始、太平洋側晴れ> 日本気象協会は14日、29日ごろから1月3日ごろにかけての天候予想を発表した。
もう十七寝るとお正月だ。
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