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六月十日、「第一回 報徳活動推進個人社員研修会」が大日本報徳社大講堂で開催されました。現在、三百五十名の個人社員が報徳運動に関わってくれていますが、第一回目となる研修会には、東京、千葉、埼玉、横浜など県外からの参加もあり、総勢三十名の参加者が集まりました。 儀礼・報徳訓の斉唱の後、榛村純一社長から講話(挨拶及び問題提起)があり、その後、車座になっての意見交換会が行われました。 ①社長挨拶及び問題提起 「~尊徳の教えで生きることの意味~報徳訓と四綱領と積小為大」 ■町村報徳社(単位報徳社)と個人社員 もともと報徳社は、村の成り立ちの中で、地域単位、村単位、家単位で出来上ったもの。町村報徳社は報徳社の本流である。しかし、町村報徳社を増やしていくことは難しい。今後、報徳を盛り上げていくには個人社員の力が必要だ。個人社員はスタートしたばかり。町村報徳社との両輪で報徳活動を推進していきたい。 ■八代目社長として 八代目の社長として私は、二十年かけて六建造物文化財の大修復を行った。現在、報徳プラザの演出、岡田家文書など報徳図書館の整備、全国報徳運動としての資料館連携などを推進している。 報徳は「幕藩体制の崩壊」「敗戦」「新自由主義」という三つの転換期を乗り越えた。「経済と道徳」「徳を積む」など、報徳は現代でも大切な理念であるけれど、なかなか運動が広まっていかないのが実情。全国の本社として何ができるのか、八代目社長として難しい課題を課せられている気持ちだ。五代社長 河井彌八と六代社長 戸塚九一郎は八十二歳まで生きた。私は今、八十三歳。どういう結末をつければいいか考えている。 ■改めて報徳とは 報徳とは「落ち着いた社会、落ちついた会社、落ち着いた家族、落ち着いた人間、落ち着いた考え方を作り上げる運動」だと今は考えている。 ■個人社員への期待 個人社員の皆さんは、報徳を「日本人の魂の底にあるもの」として、また「今の時代に必要なもの」として、年会費を払い、関わってくれている。今日は皆さんのご意見、ご提案をお聞かせいただきたい。 ②意見交換会(概要まとめ) ■報徳、私の実践 【ライフワークとして】 ・死ぬまでどう生きるのか、理屈抜きの報徳の実践をしていきたい。 ・自分の子や孫に「徳」を伝えたい。 ・「礼」「徳」「誠」とは何か学んでいる。 ・古文書が読めるようにと勉強中。 ・長期にわたる報徳仕法の実践によって幸せを実感している。これを一人でも多くの人に伝えたい。 ・言葉は耳から入り頭や心に積み重なっていく。美しい日本語を子どもたちに届けたい。 【企業人、経営者として】 ・経営者として様々な本を読んでいたとき二宮尊徳に出会った。身の丈にあった経営を目指し実践したことで、赤字経営が黒字に転換した。 ・報徳からスタートした信用金庫として、報徳を職員にどう伝えていくか、常に考えてきた。何より大切なのは上司が実践すること。それは家庭教育でも同じだ。 ・自分の仕事を通じて報徳を実践し、「これはいいな」と思ったことを伝えていきたい。 【まちづくりに関わる】 ・地域のお寺で「脱限界集落」を目指して寺子屋を開催している。 ・地域の報徳社を開放し、勉強会や講座等の会場として活用している。 ・金次郎像と尊徳の説明板を市内小中学校に寄贈。また、回村像と説明板を駅前に設置した。 ■報徳とは ・報徳は日常を大切にすること。 ・報徳は日本文化の支柱となる。 ・日本型経営の原点は報徳にある。 ■これからの課題 ・分度ある生活を実践しても、子どもたちからなかなか理解されない。若い人に報徳をどう伝えていくか、個人としても報徳社としても課題だ。 ・ミュージカル金次郎はPRとしてとてもよい機会だった。 ・一度解散した町村報徳社を復活させたい。今後どのように活動していけばいいか模索中。 ・個人社員として何かしたい。でも、何ができるのか、何をしていけばいいのか悩んでいる。 ■報徳社への提案と期待 ・報徳訓の中の「富貴」とは、経済的にも精神的にも豊かになること。今の報徳は思想や道徳に偏りすぎている。初心に戻り、経済と道徳を同じ位置に戻すことが必要だ。 ・個人社員だけでなく、法人会員制を作り、報徳社が企業研修などをサポートできる仕組みを作りたい。また、五常講の現代版として、五常にかなう起業家をサポート育成する仕組みが作れればと考えている。 ・地域創生の時代、地域学、生涯学習学、報徳学を報徳社でやっていきたい。 ・ドイツの「共通の利益の実現のために協同組合を組織するという思想と実践」がユネスコ無形文化遺産に登録された。日本型経営の原点は報徳にある。報徳思想の世界遺産登録を考えてみたい。 ③個人社員研修会を終えて 「各地で個々に活動されている個人社員の皆さんの意見を聞いてみよう」 「個人社員同士のつながりができ、新たな交流、新たな活動が生まれるような機運が高まれば」 そんな思いでスタートした第一回個人社員研修会。個人社員の皆さんの熱い思い、貴重なご意見やご提案を聞く機会となりました。榛村社長の挨拶の中にもあったように、これからの報徳活動は、町村報徳社という本流に個人社員の力が注ぎ込み、大きな強い流れとなっていくことが必要です。 現代社会の中で報徳社として何ができるのか、町村報徳社と個人社員の両輪で報徳運動を盛り上げていくにはどうしたらいいか等、改めて考える良い機会となりました。参加者の皆さま、ありがとうございました。 |