>SPA! >「コメ価格2倍高騰」の裏に “JAの政治力”。 元日銀副総裁が明かす「減反政策の真実」と1700万トン生産の可能性 >日刊SPA! の意見・ >9時間・ >令和のコメ騒動と言われて久しい。 >コメ価格は昨年6月頃から値上がりを続け、農林水産省の発表によると、現在の全国のスーパーで販売されたコメの5キロあたりの平均価格は、4268円。 >前年の同じ時期は2108円で、2倍以上に上昇している。 >異常気象による収穫量減少や肥料・農業資材価格の上昇、国際的穀物価格の高騰から米需要のシフトが相まって急激な価格高騰が発生したーーというのがその背景だが、この状況を受け、政府は備蓄米放出により価格抑制を図ったものの、期待された劇的な価格低下には至ってない。 >深刻な社会問題として我々の生活に深い影を落としているコメ価格の高騰問題だが、それに先陣を切って立ち向かうべき江藤農水相が「コメを買ったことない」と発言するなど、政治への不信にも歯止めがかからない。 >そもそも、コメの価格を下げる政策は存在するのか。 >元日銀副総裁の岩田規久男氏に聞いた(以下、岩田氏による寄稿)。 >◆コメの価格が上がり続ける根本的原因 >米価高騰の根本的原因は減反政策です。 >米価が天候による供給量の減少やインバウンドによる需要の増加程度で高騰するのは、コメが日本人の主食であるためです。 >主食米に対する需要は価格が上昇しても大きく減少しないため、高価格が維持されるのです。 >減反政策とは、この価格決定の特徴を利用して、わずかな供給量の減少によって、米価をつり上げる政策でした。 >’17年に廃止されましたが、水田を畑に変えて麦などを栽培する農家を支援する転作補助金という“事実上の減反政策”が今でも続いています。 >これを廃止し、すべての水田を主食米の生産に充てれば、1700万tの生産が可能になります。 >最近のコメの消費量は700万t程度ですから、1000万tを輸出できます。
明るい未来が約束されていますね。
>◆減反政策をやめることで起きること >減反政策をやめれば、零細規模の兼業農家がコメ生産から退出し、土地生産性の高い専業農家に土地が集約されます。 >これにより供給量は増加し、米価は下がります。 >中国ではすでに日本米が中国産米の10倍の価格で販売されるほどの人気を博していますが、米価が下がればコメは立派な輸出品になるでしょう。
有難い知見ですね。
>平時は国内消費量を超えるコメを輸出し、不作時などには輸出を減らして国内消費に充てれば、米価の高騰を防げます。 >これは輸出米を備蓄米とすることに相当しますから、備蓄のための税負担を大幅に軽減する政策でもあります。 >現在、国民はコメの転作補助金、備蓄米およびミニマムアクセス米輸入のために、合計4500億円の税負担をしていますが、減反政策をやめれば、この負担もなくなります。 >しかし、減反廃止によって、米価がある水準以下に低下すると、生産性の高い農家でも採算が取れなくなる可能性があります。 >生産性の高い専業農家は1俵(約60㎏)当たり米価が1万円程度ならば、採算が取れると述べています。 >そこで、例えば米価が1万円未満になったら、1万円と米価の差を補助して、専業農家を支援する政策が考えられます。 >これは、欧州各国が採用している、「直接払い方式」と呼ばれる政策です。 >◆政策が実施できない理由はJA(農協)の政治力の強さ >ただし、零細規模の兼業農家は国民の平均所得程度の所得がありますから、直接払いの対象としません。 >制度・規制改革学会有志の試算では、必要な直接払いは、1500億円程度です。 >したがって、差し引き、国民の税負担は3000億円程度減少します。 >このような政策が実施できないのは、JA(農協)の政治力が強いためです。 >JAは高い米価の販売から高い手数料収入を得るとともに、高米価で温存された零細兼業農家の勤労所得から預金を集めて収益を上げています。 >この状況を打ち破るには、国民が減反政策の意味を真に理解し、反対の声を上げ、減反廃止を掲げる有力な政党が現れることが不可欠です。
そうですね。議員の理解と有権者の真の理解が必要ですね。 日本人には、あっけらかんとした世界の中で、ドライに割り切るセンス (判断力) が必要ですね。
>つまり、「事実上の減反政策を廃止すれば生産が増えて価格は下がる」が、コメの価格を下げる政策といえるのです。
そうですね。
>【岩田規久男・元日銀副総裁】 >東京大学大学院経済研究科博士課程退学。 >上智大学名誉教授、オーストラリア国立大学客員研究員などを経て、’13年に日本銀行副総裁に就任。 >’18年3月まで務め、日本のデフレ脱却に取り組んだ経済学の第一人者。 >経済の入門書や『「日本型格差社会」からの脱却』(光文社)、『自由な社会をつくる経済学』(読書人)など著書多数
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