福島民報 2012年10月28日付 朝刊 【不屈の歌声 力強く】 全日本合唱・高校部門 安積黎明33年連続「金」100周年に花 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故という二重の苦難の中、努力を重ねた本県高校生の歌声が力強く響き渡った。27日に鹿児島市民文化ホールで行われた全日本合唱コンクール(33人以上)で、金賞と3位に相当する鹿児島県教育委員会賞に輝いた安積黎明は創立100周年に花を添え、金賞の会津と安積は高い歌唱力で聴衆を魅了した。銀賞の郡山と橘も精いっぱいの演奏を披露。懸命に前に進む本県の姿を発信した。 安積黎明の澄んだ歌声が今年も聴衆の心をつかんだ。金賞の連続受賞記録を33年に伸ばした。 表彰式を終え、部員の待つ客席に戻った渡辺美紗部長(18)=3年=は賞状を高く掲げ、「みんなー、幸せだねー」とメンバーと喜びをかみしめた。 自由曲で取り上げた「蛇性の淫(女へん)」(じゃせいのいん)は、「雨月物語」が基になっている。作曲家鈴木輝昭さんに委嘱し、古典物に初挑戦した。古語独特の表現に試行錯誤を重ねた。「結果ではなく今できる最高の演奏をしよう」と全員が自分に言い聞かせて臨んだ。 作中に出てくる雨の描写を擬音語で歌い上げ、物語の臨場感を表現。古語ならではの言葉の響きで、曲の持つあやしげな雰囲気を会場に漂わせた。 指揮者で顧問の宍戸真一教諭(35)は「感無量の演奏だ。本当によくやってくれた」と目を細め、丹藤茂校長(55)は「重圧をはねのけ、創立100周年の年にふさわしい賞を取ってくれた」とねぎらった。 〈読者投稿〉 このコーナーに応募したくてHAPPYになる部分を保存してました。そうしたら次々と音楽大国の福島と思うほどの次々の上位の賞にハッピー以上のうれし涙でした。 全日本合唱・高校部門のBグループ(33人以上)での金賞と3位に相当する賞に輝いたようで、生徒たちの底力に感激しました。皆さんも知ってのとおり3・11の大震災、原発と大きな問題があるなかでの、仮設校舎での生活とともに、昨年練習さえできなかったからこその絆だったのかと思いました。100周年にも一花添えた感じと、33年連続の「金」とは、とてつもない大きなタスキに思いつつも、キープしている姿に指導者の熱意、生徒たちの練習のたまものに頭が下がります。私たち県民に勇気・希望・困難の中での大きなメッセージがあったと思います。若い星たちよ、ありがとうございます。 小川みどりさん 44歳 福島県 × × 誤字脱字写し間違いあります。 |