2023年08月15日(火) 

 

>東洋経済オンライン   >国家の劣化はたった1人の政治家が引き起こす 日本など先進国を没落させる哲学なき政治家の罪   >的場 昭弘 の意見   >•10 時間

>2023年8月15日、また今年も終戦記念日がやってきた。   

>戦後80年近くにもなろうとしている。   

>もはや戦争を知る戦中世代のほとんどが鬼籍に入りつつある中で、形骸化した終戦記念日が伝統行事のように繰り返されている。   

 

そうですね。日本人の文化には形式 (儀式) があって内容 (考え) が無い。    

 

>一方で豊かであったあの日本は風前の灯火で、日本の疲弊がはじまって久しい。   

>それを衰退というか、堕落というか。   

>表現はまちまちであろうが、いかに外見を繕ってみたところで、日本が今没落しつつあることは、残念ながらだれも否定できない事実である。   

>もちろん、これは日本だけに限らない。   

>先進国といわれる国々は、どこも大同小異同じ運命を辿りつつあるのかもしれない。   

>モンテスキューも嘆いた政治の堕落   

>2016年にフランスで、ニコラ・バベレという人の『ベナン人の手紙』という小説が出版された。   

>その内容は2040年のフランスの話で、フランスは国家衰退の危機に瀕し、IMF(国際通貨基金)から派遣されたアフリカのベナン人が、その衰退したフランスの様子を妻に手紙で語るというものだ。   

>これは2040年という近未来の話で、その頃はアフリカの国々が勃興し、政治、経済、モラル、文化、あらゆる面で先進国となっていて、フランスは、すべての点で後進国になりさがっているというのである。   

>その冒頭に、フランスの哲学者であるモンテスキュー(1689~1755年)の『ペルシア人の手紙』(1721年)の154番目の手紙の一節が引用されている。   

>その文章はこうである。   

> 「君も御存じのように僕は長い間インドを歩きまわった。   

>そのくにでは、私は一人の大臣の示した悪例のおかげで、生まれつき寛大な国民が一瞬のうちに最下級の国民から最上級の人たちまで堕落したのを実見に及んでいる。   

>寛大、清廉、無邪気、信仰の徳が永年の間国民性となっていた国民が突然、最下等の国民になってしまった。   

>つまり、弊風が伝搬し最も神聖な人たちさえそれに染まり、最も有徳の人が悪事を働き、ほかの連中もやっているとつまらぬ口実にかくれて、正義の第一原則を破って顧みなくなったのを私は見て来た」   

>(『ペルシア人の手紙』大岩誠訳、岩波文庫下巻、200~201ページ)。   

>18世紀のモンテスキューも、フランス社会の危機を憂い、ペルシア人の名を借りて当時のフランス王政の堕落を批判したのである。   

>一国の衰退は、政治の悪化で一気に進んでいくというのだ。   

>政治の悪化が、国民のモラル低下を導き、だれもが悪徳の民となり、国は衰退の一途を辿るのである。   

>この後起こるフランス革命という嵐の中、フランスはその衰退を免れ、再び繁栄の基礎を築いたのだが、その代償はあまりにも大きなものであった。   

>現在のフランスは、どうであろう。   

>政治や経済の混迷とともに、あらゆるものが狂い始めている。   

>今のところ、この衰退を救ってくれる白い騎士たるすぐれた政治家が現れていない。   

>そのフランスという西欧を範としてきた日本の衰退は、フランス以上に疲弊しているともいえる。   

>政治のモラル低下や腐敗は、もはや事件として取り上げる気も起こらないほど頻繁化し、それとともに経済分野における日本の地盤沈下もとどまることを知らない。   

>その一方で、日本礼賛論が巷で横行し、国民は相変わらず経済成長日本の時代の夢から出ることができないでいる。   

 

そうですね。賢い人は ‘純粋によく観察する’ が、そうでない人は ‘自分の期待したもの’ しか見ようとしない。   

 

>未来の世代を苦しめる国家の劣化   

>こうした衰退を、国家劣化ともいう。   

>モンテスキューによれば、国家劣化は1人の悪徳政治家によって簡単に起こると述べているが、国家は人間と違い1つの世代で死に絶えるのではなく、その次の世代、またその次の世代とずっと受け継がれていくのであるから、ある世代による国家の衰退は次の世代の人々をずっと苦しめ続けるのである。   

>その意味で、ある世代のたった1人の政治家による悪行は、末代まで影響するといってよい。   

>ハーバード大学教授のニーアル・ファーガソンは『劣化国家』(櫻井祐子訳、東洋経済新報社、2013年)の中で、この世代間に継続される劣化した国家の問題を、やはり18世紀のイギリスの思想家エドマンド・バーク(1729~1797年)の『フランス革命についての省察』(1790年)の有名な言葉を使って、「世代間の協働事業(パートナーシップ)の崩壊」と述べている。   

>このバークの言葉とは、次のような言葉である。   

> 「というのは国家は、ただひととき存在して滅んでいく(人間という)粗野な動物的存在だけに役立っているものではないからです。   

>国家はすべての学問についての協働事業によって、すべての技芸についての協働事業によって、すべての徳とすべての完璧さについての協働事業によって作られるのです。   

>こうした協働事業の目的は何世代続いても実現できないものなので、生きているひとびとだけが結ぶ協働事業ではすみません。   

>それは生きているひとびととすでに死んだひとびととの間で、またこれから生まれてくるひとびとの間で結ばれる協働事業なのです」   

>(エドマンド・バーク『フランス革命についての省察』二木麻里訳、光文社古典新訳文庫165ページ。   

>引用訳ではパートナーシップは協力協定となっているが、ここではあえて協働事業と訳しかえてある)   

>なるほど、多額の赤字国債の発行や、国民の財産の多くを破壊する戦争などを、ある世代の政治家が気まぐれに行えば、そのツケは末代まで及ぶといってもよい。   

>だからこそ、今のわれわれの世代だけに国家を劣化させる権利はないのである。   

>すべての世代に豊かな世界をその後の世代に伝える義務が、すべての世代にあるのだ。   

>これと同じような趣旨のことを、日本を代表する経済学者の1人であった森嶋通夫(1923~2004年)も、『なぜ日本は没落するか』(岩波書店、1999年)と『なぜ日本は行き詰ったか』(同、2004年)という2つの書物で、われわれにすでに20年前に語ってくれていた。   

>森嶋は2004年に亡くなっているので、この2つの書物は彼のわれわれに残した遺書とも言うべきものである。   

>戦中世代として、われわれ戦後世代に彼が伝えたかったことは、まさにこの「協働事業」という問題である。   

>長い間イギリスで暮らしていた森嶋は、まさにバークの見解に似たことを述べている。   

>森嶋は、『なぜ日本は没落するか』の中で、2050年の日本を予想している。   

>彼は当時の13歳から18歳の子供たちの様子を見て、50年後日本を背負っている彼らが日本をどう動かしているかという発想から、2050年の日本を予測しようというのだ。   

>国家は世代によって引き継がれていく。   

>戦後は戦争を遂行した戦前世代が牽引し、そして戦中世代、戦後世代にバトンタッチしてきた。   

>だから今の豊かさは前の世代の豊かさでの結果であり、今の世代は次の世代にその豊かさをバトンタッチしなければならない。   

>こうして連綿と歴史は、世代間で引き継がれていく。   

>森嶋は、この戦後のバトンタッチこそ大きな問題点を含むものであったという。   

>戦後アメリカによる教育改革は、戦前世代との断絶を生み出したと指摘する。   

>アメリカによる急激なアメリカ流教育は、民主教育を非民主的な戦前、戦中世代が教えるというちぐはぐな問題を生み出した。   

>それによって戦後民主主義は形骸化し、また戦後世代はそれまであった日本の伝統的儒教的教育を受けられなかったことで、戦後世代はアジア的伝統とも断絶することになったという。   

>戦後世代とは、私のような昭和20年代生まれの世代のことである。   

>そして 2050年を担う世代とは、その戦後世代の子供たちや孫の世代のことである。   

>国際的評価を得られない「哲学なき政治家」   

>菅義偉、安倍晋三、岸田文雄といった政治家はすべて戦後世代である。   

>この戦後世代に欠けているものを、森嶋はエリート意識の欠如、または精神の崩壊といっている。   

>価値判断をもたない無機的な人々を生み出したのは、この戦後の中途半端な教育にあったと述べているが、あながち間違いではない。   

>それが顕著に現れるのは政治という舞台の上である。   

 

そうですね。政治家には政治哲学が必要ですね。各人に哲学は必要である。Everyone needs a philosophy.     

 

 

 

 

 

 

 

 


閲覧数208 カテゴリアルバム コメント0 投稿日時2023/08/15 18:59
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