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2007年02月23日(金) 
最近、各地で競うように増えた大規模な日帰り温泉施設。
その一方でほとんど姿を消してしまった「銭湯」だが、
なんと、菊川駅付近に1軒存在することを突き止めた!
温泉・・・いや “入浴施設フリーク” としては痛烈に興味をそそられるとともに、
時々通りかかる道の近辺に「銭湯」があったなんて・・・うかつだった。

その名は「菊の湯」―

菊川の銭湯だもんね・・・わかりやすい。
きっと地元ではよく知られた湯なのだろう、
小さな駐車場には数台の車が停まっている。

男女別の入口には、
それぞれ「男湯 菊の湯」「女湯 菊の湯」を染め抜いた暖簾がかかり、
その隅をよく見ると、月のマークでお馴染みの「花王」ロゴが・・・。
一部上場企業からの寄贈とは・・・うむ、これはあなどれんぞ。

そんな立派な暖簾をくぐり、ドアを入るとすぐ、
番頭台におばちゃんがTVを見ながら座っている。
完全に、古いドラマのワンシーンだ・・・。
入浴料がどこにも書いてないので尋ねると、350円だと。
1,000円出して釣りをもらうのも申し訳ない空気感から、
なんとか小銭を集めてぴったり支払い、先へ進もうとすると、
「タオルやらは持ってるかね?」と念を押された。
もちろんタオルは持ってきたんで「あるよ~」と答え、脱衣場へ。

ガランとした脱衣場ではチビっ子1人が湯上り着替え中で、
ガラス超しに見える浴室ではおっちゃん2人が入浴中。
脱衣棚は、現代社会の公衆の場ではもはやありえない、扉もカギもないオープンな壁棚。
しかし、何の心配も起こらないのが、“その場の雰囲気” ってやつなのだろうか?

21時までという事前リサーチにより、のんびりはしていられない。
さっさと服を脱ぎ、棚に放り込んでいると、今さらながらふと気付いた。
番頭台って、ホントに男女両脱衣場が丸見えの位置にあるんだ・・・。
(学生時代行った東京の近代銭湯では、番頭台と脱衣場は別室の位置関係だった)

浴室に入ると、12畳(?)程の洗い場に、
赤青のひねりがついた古風な蛇口が6ヶ所、その内シャワー付は2ヶ所のみ。
じゃあまずは体を洗って・・・と思った瞬間、
さっき番頭のおばちゃんが言った「タオルやら・・」の言葉の奥が見えた。
石鹸・シャンプーなどの備品が、一切ないのだ!
そういえば、学生時代行った銭湯もそうだったことを思い出す。
“自分が使うものは自分で持って来る” 、それが銭湯的システムなのだ。

仕方ないので、タオルでゴシゴシ洗って、なんとかキレイになって、いざ湯船へ!
約1間×1間半ほどのタイル張りの湯船は、いかにも銭湯という感じの趣。
湯加減も、まさに言うことナシ!
これで壁に雄大な富士山でも描かれてりゃ完璧!!・・・なんだけどな~。

そぅこぅしているうちに、おっちゃん達はもう出る模様だが、
使っていたオケや座台を軽く洗い、洗い場の中央へ集め並べている。
しかも、ごく自然にいつもどおりの・・・といった動きだ。
なるほど、それがここのオキテなんだな・・・。
面識があろうとなかろうと、
裸で付き合う者同士、お互いの心遣いとでも言おうか、
そんなちょっとした古き良き時代の光景が、ここには残っていた。

みんなあがって一人になってしまったし、
そろそろ俺もあがろーかな・・・。
湯船からあがり、使ったオケと座台を軽くすすいで中央に並べ集め、
湯気に包まれながら、飾りっ気のない静かな脱衣場へ―。

さて、ウチに帰ったら、フロ入って石鹸で洗わなきゃ・・・(^^;)


閲覧数425 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2007/02/23 20:21
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