秋が始まるころ、急にキンモクセイの香りがしはじめる。ある日突然という感じでびっくりするとともに、ああまた秋だな、と嬉しくもなる。誰かがキンモクセイの香りはトイレの芳香剤を思いださせるから好きになれないなんて言っていたが、僕も、あのトイレの芳香剤は大嫌いだ。だが、ホンモノはいいものだ。 相模原でこの数日前から咲き始めたが、先週末、まだ相模原では咲いていないのに、丹沢の部落では咲いていて、驚いたことがある。考えてみれば、山里には平地よりも先に秋が来るので当然と言えば当然ではあるが。 このキンモクセイのいい写真を撮りたいのだが、意外に難しい。しっとりとして、いかにもキンモクセイの香りが漂ってきそうな写真が撮りたいのだが、撮った写真を見ると平板で乾燥したような花に写っていて悔しいものだ。 土曜の午後、太陽が出て、花の写真には一番難しい時間だったが、カメラを持って、磯部の部落を歩いてみた。 たくさん撮ったが、一番良さそうなのがこの写真だ。太陽光が細く差し込み花が金色になっていて美しいが、それよりもその右側の花が「しっとり」といい感じで写っている。プロから見るといろいろモンダイがあるのかもしれないが、僕としてはお気に入りのショットだ。 そうそう、今回キンモクセイについて調べたら、なんと静岡県の県の木に指定してあることがわかった。ちょっと驚いたな。 |