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2008年11月23日(日) 



日本人は無理な要求をしても怒らず、反論もしない。笑みを浮かべて要求を呑んでくれる。しかし、これでは困る。反論する相手をねじ伏せてこそ政治家としての点数があがるのに、それができない。
 それでもう一度無理難題を要求すると、またこれも呑んでくれる。すると議会は、今まで以上の要求をしろと言う。無理を承知で要求してみると、今度は笑みを浮かべていた日本人が全く別人の顔になって、「これほどこちらが譲歩しているのに、そんなことを言うとは、あなたは話のわからない人だ。ここに至っては、刺し違えるしかない」と言って突っかかってくる。
 英国はその後マレー半島沖で戦艦プリンスオブウェールズとレパルスを日本軍に撃沈され、シンガポールを失った。日本にこれほどの力があったなら、もっと早く発言して欲しかった。
 日本人は外交を知らない。(引用終わり)

「今ある姿」があって「あるべき姿」がない。感性ばかりで、理性がない。感想ばかりで、理想を語らない。「理屈っぽい」といって議論をする人を避ける。日本人の発言は歌詠みのようなものになります。語り部、浪曲師も似たようなものです。

強い意思 (will) は、‘shall’ を使った未来時制で言い表されます。例を挙げれば、マッカーサは日本軍に攻め込まれてフィリピンからオーストラリアに脱出したときに ‘I came through and I shall return’. (わたくしは [脱出に] 成功した、わたくしは返る) といった。ジョーン・バエズは、反戦歌で ’We shall overcome’. (勝利を我らに) と歌った。神は十戒の中で ‘You shall not kill’. (汝、殺すなかれ) といった。日本語で考えれば、どれもこれも大したことではない。それというのもその場の気分・雰囲気を読んで勝手に解釈され日本語に置き換えられるからである。英語で考えればこれらは努力目標の設定であり、聞く人に希望を与える。 ‘I shall return’. (わたくしは返る) は「未来において、わたくしは返る」ということであり、’We shall overcome’. (勝利を我らに) は「未来において、我々は克服する」ということであり、 ‘You shall not kill’. (汝、殺すなかれ) は「未来において、貴方は人を殺さない」ということである。

我が国の神様は、出雲に集まって談合はするが意思決定は行わないようだ。実況放送・現状報告の内容に花を咲かせていることでしょう。
究極の理想世界を見据えて日夜努力する指導者のような人はいない。
現実の他人と見比べて自分はどうであるかということが、問題の全てである従者のような人ばかりだ。

英米人の意思や強い意思の内容が、日本人に感動を与えないのは、日本語脳では、その解釈を飽くまで現実においているので「そんなことを言ってもだめだぞ。現実はそのようにはなっていない」と反論する構えである。このように現実以外には考えるものが何もないと確信すると、その人は閉塞感に襲われる。「今ある姿」の世界に入り浸っている日本人には、この閉塞タイプが多い。
英語は日本語と対応していない。これが、英文和訳による文化輸入の限界である。全てを訳し尽くしても何かがおかしい。かっこいい意訳は自分勝手な解釈となり、異訳・違訳に繋がる危険が多い。

現在の日本国憲法では、権利なるものについて以下のごとく書かれています。

第十一条【基本的人権の享有と性質】  国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。/ 第十二条【自由・権利の保持義務、濫用の禁止、利用の責任】  この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。/ 第十三条【個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重】/ すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

これを読んだある日本人は、

『基本的人権は、侵すことのできない永久の権利』という根拠などどこにもない事が言われているだけでなく『自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。』など何を言っているのかよく分からないくだりもあります。また、ここでは国民は『個人』として尊重され、「集団あっての個体」という生物の自然の摂理に反した事も堂々と書かれています。

と発言していた。参考までに同じくだりを英文で掲げますと、

Article 11. The people shall not be prevented from enjoying any of the fundamental human rights. These fundamental human rights guaranteed to the people by this Constitution shall be conferred upon the people of this and future generations as eternal and inviolate rights. / Article 12. The freedoms and rights guaranteed to the people by this Constitution shall be maintained by the constant endeavor of the people, who shall refrain from any abuse of these freedoms and rights and shall always be responsible for utilizing them for the public welfare. / Article 13. All of the people shall be respected as individuals. Their right to life, liberty, and the pursuit of happiness shall, to the extent that it does not interfere with the public welfare, be the supreme consideration in legislation and in other governmental affairs.
となります。

日本文の方は、現実構文 (現在構文) ですから、その内容は現実のことになります。日本人にとっては、実況放送・現状報告の内容であるかのごとく書かれた嘘のようなものでしょう。だがしかし、英文の方は、’shall’ 未来構文の内容ですね。その内容は、非現実的なことですね。頭の中にのみ存在する努力目標です。この設定された努力目標に向かって国民が心を合わせようとするのが憲法の内容です。

現実と非現実が同一のものと考えられている我が国の状態は、極めて危険なことですね。現在の地球は、英米の世の中です。同床異夢は人間不信を呼び起こすので危険です。「世界にあって、世界に属さず」などという我が国の状態を、一日も早く解消する必要があると考えます。

目先・手先の事柄にのみ注意を集中して、細工物を作ることを得意とした。その結果、我が国は技術大国を通して経済大国になった。
だが、「あるべき姿」を持たないために、ただただ時流に流される国となっています。天国の有様を考えるのでもなければ、自国の青写真を用意するのでもない。
交歓会、話し合い、談合が広く行われているが、主題に「あるべき姿」の内容が欠落している。
「上と見るか、下と見るか」の主題はあっても「よいか悪いか」の主題はないのであるから、孔子の教えのようなものか。
「よいと悪いは、誰にでもわかる」と考える英米人の陪審員制度を「よいと悪いの判断は難しい」と感じている日本人の社会に導入することは、たとえ猿真似であっても難しい。



Professor Terashima is an accomplished scientist but also an acutely observant philosopher and sociologist whose critical ideas are deeply penetrating. What he writes will give his readers much cause for reflection. His contribution is that he articulates through carefully structured analysis what the Japanese have for a while but only vaguely suspected about themselves.

沖縄県立芸術大学教授 A. P. Jenkins



http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/


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閲覧数817 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2008/11/23 04:32
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