2016年05月16日(月) 

 

私は、東京の大学に進学するときに、’頭でっかちになるな’ と、田舎の衆から忠告された。今考えてみると、本当にそうだと思う。

現実肯定主義の日本人は、西洋哲学を学んでも、頭の中には入らない。非現実の内容を語っても、’そんなことを言っても駄目だぞ。現実はそうなっていない’ と言い返されるばかりである。意味のない知識をつめこんで、ただの頭でっかちになるだけであるから、曲学阿世の輩は、哲学 (非現実) を処世術 (現実) の口実に使う。曲学阿世とは、学問上の道理まげて世間の人気にこびへつらうことを言う。これしかない。考えの混乱・東洋の阿呆というものであろうか。

日本語には時制が無いから、実況放送・現状報告の内容以外は言葉に言い表せない。だから、日本人には非現実の内容は考えられない。非現実の内容は想定外となっている。最悪の事態の内容は、目の前に起こっている事ではないので、想定外となっているのである。活躍しない自衛隊は、税金の無駄遣いと考えられている。自衛隊が活躍しなかった現実が我が国民にとっての最高の幸福とは考えられてはいない。これでは、危機に備える国防論は成り立たないので、精神状態はきわめて危険である。我が国民は頭に致命的な欠陥のあることを知らなくてはならない。哲学者・政治家・教育者は責任を感じなくてはならない。

平和憲法は、政治哲学である。遠い未来の行き着く先の内容を示している。我が国は、無哲学・能天気の民族国家である。だから、哲学は知っても役に立たない。そして、それを処世術に切り替える。哲学の無い政治家は、政治音痴の政治屋になっている。彼らは来るべき世界の内容を提唱しない。

この現状を幸いとして、我が国の防衛を外国人に担わせるときの口実に使う。’当方には立派な平和憲法があるのですよ。残念ながら、日本人は戦うことができません’。 ‘どうぞ、我が国のために戦ってください’ という。これは、世界にも見られない極上の口実であると、一般には信じられている。どうして日本人はこうも頭が良いのかと思っている人も多いと思うが、悪知恵とちがうのかな。

インテリで哲学を信じる者はいない。だが、習い覚えた哲学の利用法として、処世術の中で口実・方便として役立てることを知って得意顔をしている。西洋から得た知識の片鱗を見せて、進歩的である思い込み得意顔をしている。ちょうど釈迦如来の手のひらの上で得意顔をしている孫悟空のようなものである。彼には世界観がない。この口実を告げられたアメリカ人で、日本人の欺瞞に気づかない者はいない。安保ただ乗りか。

時制ある英語を学べば、非現実の内容を理解できていない人間は、未熟な子どものようなものであることがわかる。英米の高等教育は、子供を大人にするための教育である。この教育に失敗すれば、民度は子供の水準にとどまる。どうか、このことを確かめてみてもらいたい。

日本人は教養がないから、相手に対する説得力に欠けている。そして、我が国の出版物は英米のものに比べて質が劣る。新聞に ‘THE WALL STREET JOURNAL’や ‘Financial Times’,のようなものが無い。週刊誌に‘Newsweek’や ‘TIME’,のようなものがない。科学雑誌に ‘NATURE’や ‘SCIENCE’,のようなものが無い。これでは国際社会において名誉ある地位を占めることはできない。

 

イザヤ・ベンダサンは、自著<ユダヤ人と日本人>の中で、我が国の評論家に関して下の段落のように述べています。
評論家といわれる人びとが、日本ほど多い国は、まずあるまい。本職評論家はもとより、大学教授から落語家まで (失礼! 落語家から大学教授までかも知れない) 、いわゆる評論的活動をしている人びとの総数を考えれば、まさに「浜の真砂」である。もちろん英米にも評論家はいる。しかし英語圏という、実に広大で多種多様の文化を包含するさまざまな読者層を対象としていることを考えるとき、日本語圏のみを対象として、これだけ多くの人が、一本のペンで二本の箸を動かすどころか、高級車まで動かしていることは、やはり非常に特異な現象であって、日本を考える場合、見逃しえない一面である。 (引用終り)

 

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閲覧数2,747 カテゴリアルバム コメント3 投稿日時2016/05/16 06:39
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コメント(3)
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  • 2016/05/16 12:59
    トランプ万歳?さん
    日本にとってTRUMP氏の主張が正しいと思いますか?
    次項有
  • 2016/05/16 18:59
    > トランプ万歳?さん

    日本人が日本を守れというのは正しいです。
    次項有
  • 2024/04/04 19:04
    この記事のトピックについて返信し、タイムカード計算機を紹介してください
    次項有
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