お名前:2号
野呂には、また行きましょうね。
今週末と来週もよろしくお願いします。
噂でも聞くし、雑誌でも紹介されている今をときめく「野呂川」にこの週末始めて釣りに行ってきた。野呂川は南アルプスの北岳から流れ落ちる渓流でイワナの川だ。釣り場は広河原(標高1520メートル)近辺ということになる。 僕は中央高速を白根まで行って、芦安温泉の駐車場に車を置いて、山岳バスに1時間乗って夜叉神峠経由で広河原まで行った。釣りの同行は静岡のN君、Dちゃん、S君で、彼らは静岡側の奈良田から広河原に来て僕と合流した。 いいところだった。白樺や針葉樹が多い。土曜の夜は広河原山荘に泊まった。朝晩の食事は自炊である。夕食のバーベキューが面白かった。見ると3人ともヘッドライトを付けていた。 「どうしてヘッドライトを付けてるの?」 と聞いたら、 「だって暗いから肉の焼け具合がわからないじゃないですか」 と言う。なるほどね、僕はもう焼けてますよと言われた肉を食べることにした。夜には羽蟻がたくさん飛んだ。 ところで、釣り人が多いのにはびっくりした。山荘の上も下も人だらけであった。朝ご飯を食べているときにも山荘前を通って川に入る人を6人は見た。こりゃあダメだ、と思った。釣り人はフライが多いが、ルアーも居たし、餌づりも居た。僕はボウズを覚悟した。 釣果は、3人は広河原から40分ほどの下流に下り、各自まずまずのイワナが3-4匹が釣れたそうだ。野呂川は道路から川までかなりの急坂であり、川には巨岩も多く、遡行には体力もいるし、時間もかかる。そのタフな釣りは僕にはムリなので、広河原の近くを釣り、釣果は二日間で小さなイワナが二匹だけだった。 だが、楽しい釣りだった。バス待ちの時間もあって、写真を撮ったのでお見せしよう。 例によって花の名前がわからない。おわかりのの方、教えてもらいたい。アザミは大きかったなあ。 上品な、可愛いイワナちゃんが釣れた。 帰りは皆と別れ、一人で芦安へと戻ったが、ひとつ嬉しい出来事があった。バスの中に一人のフライフィッシャーマンが居たのだが、顔に覚えもなく、あいさつはしなかった。芦安に着いて自分の車の方に歩いていくと、バスに乗っていた彼が僕を呼び止めて言った。 「川野先生ですよね。用語辞典を買いました。」 「はい、そうですが。あら、買っていただいた、ありがとうございます。」 「以前にも亡くなった東さんと一緒に何度かお会いしているんですが、覚えておられないでしょうね」 「ああ、そうでしたか。惜しい方を失ったものです。ところで、今日の釣りはどうでしたか?」 「私は北沢に入ったんですよ。何とか11匹ほど釣れました。」 「ほう、それはそれは、良かったですね。やっぱり頑張った者の勝ちですね。私は山荘付近で小さいのが釣れただけです。ではまた、どこかでお会いしましょう」 と言って分かれたのだが、名前を聞くのを忘れてしまった。あとで悔やんだが、もう遅かった。 |