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数日前、車をぶつけた。何にかというと駐車場のポールにしたたかにぶつけた。 それは夜8時頃にウナギを食べに行った時のこと。メインの駐車場は満杯で、第2駐車場に車をとめた。そこはライトもなく暗かった。メシの後、車を出そうとバックしたら何かにぶつかって車が停まった。かなりの音がしたようだ。車から出てみると、高さ60センチメートルくらいの鉄のポールが後部フェンダーにはまり込んでいた。ポールのほうはやや傾いただけで驚くほど無傷だった。 あーあ、またやっちゃった、と思った。僕はバックするときに後ろに注意を払わない傾向があるようだ。人には注意を払うのだが、人以外には注意が足りないようだ。バックして何かにぶつかって初めてそこに石があったなんてことはこれまで何度かある。 走行には支障が無く、そのまま帰って、翌日ガソリンスタンドに行って相談した。 「あー、これはけっこういってますね。10万円くらいかかるかも・・・ 保険に入ってたら使った方がいいですよ。初めてだったら等級も下がらないし」 と言われてしまった。 どうしようか、と考えた。僕はもともと車は走ればいいと思っているフシがある。また、アメリカにいる頃だったらこの程度のキズでは決してなおしたりしない。周りにはデコボコの車がたくさん走っているのだから。だが、ここは日本である。周りの車はみんな綺麗にしている。このままにしておいたら、いろいろ聞かれるし、ぶつけた状況をいちいち説明するのも面倒である。まあ、僕としても綺麗な車に乗るのは気持ちがいいし、幸い、今回の車を買うときには、車両保険に入っている。僕も歳になってきたし、注意散漫でいつ車をぶつけるかわからないな、と思ったからである。 で、修理することにした。保険の担当者に連絡するとすぐにコトが動き出し、翌日には保険会社関連の整備工場の人が代車を持って車を引き取りに来た。彼の話だと、フェンダーとリアのドアを交換することになるらしく、20万くらいかかるらしい。え、そんなに、それだけあったら竹竿が買えると思ったが、どうせ保険で払うので当方の負担はない。 というわけで、今は代車のサニーに乗っている。オートマチックだし、エアコンもきくからいいのだが、いまいち愉快ではない。この感覚がおもしろいなと思う。自分の乗り慣れた車ではないということに、いわく言い難い不自由感が伴うのである。何というか、左手でメシを食っているような、人の家に泊まっているような、または、人の靴を履いて歩いているような感じなのだ。この感覚は日常的に車に乗っていない人にはわからないだろうな、と思う。 なんだろうね、この感覚は。男にとって車って何だろうと思う。絶対に女房ではないし、彼女とも違うし、隠れ家でもないし、相棒が近いかな、強いて言えばカウボーイの馬に近いかもしれない。 僕の車には釣り道具(ウェーダーとリール)を積んだままなので、釣りにも行けない。車の修理にはあと4日ほどかかるらしい。 そんなわけで、僕は今、手足とハートをもがれたデクノボウになってしまったように感じている。 |