鯉次郎さん:
ウラタンはホームグラウンドみたいなもんでね。
僕は「お笑い」を見ないものだから、どう切り返せばいいかわからんのだよ。
聞かれりゃあ、こちとら、凝った道具を使っているから、マッテマシタとばかりに丁寧に教えるよ。
うんちくを聞かされてお返しに道具をもらえると思ったら大間違いじゃゾヨ。誤解のないように。
今日も冬晴れ、ウラタンへ向かう。 道志道には数日前に降った雪がかなり残っていた。 道志道から山道に入ると道路上の雪が増えた。まあこの程度の雪なら心配ない。ウラタンに着くと意外にたくさんの釣り人が居た。 エドワーズの竿にブラス・リールをセットして、シルク・ラインを通し、ティペットは7xにして#24のフローティング・ピューパを結んだ。散発ながらライズがあり、数投目にヒット。綺麗なやマメだった。竿とリールはとても良く似合っているのだが、ラインがすこし軽すぎた。このシルク・ラインは3番くらいに相当するな、と思った。シルク・ラインはホールするとヒュンと音がする。ラインの表面がザラついているのでガイドとの間で擦れて音が出る。それともう一つ。フライロッドにはストリッピング・ガイドが付いていて、高級なバンブーロッドなどでは瑪瑙(めのう)が使ってある。これまでは単にお洒落だなと思っていたのだが、今回シルクラインを使ってやっと理解した。シルクラインの表面はザラついているので、高価でも滑りの良い素材を使ったストリッピング・ガイドが必要だったということを。 その後ライズは止まり、フライを沈ませてマラブー・フライで10匹ほど釣った。3時頃、再びライズが始まり、見ると極小のユスリカが出ていた。しめしめとばかりにウラタン・スペシャルを結ぶと、立て続けに5匹ほどヤマメが釣れた。周りを見回してもドライフライで釣っている人は居ないようだった。さすが我がパターンであり、研究の結果なのだから。 それにしても、一人だけ釣れていたら、 「どんなフライを使っているんですか」 と聞けばいいのに誰も聞こうとしない。僕なんか聞かれたら喜んで教えるし、フライをあげてもいいのだから。僕はこの頃は遠慮無く聞くことにしている。聞くと、たいていは嬉しがって詳しく教えてくれるものだ。 そして、急に指先がかじかんで思うように動かないのに気がついた。見ると指先は白っぽくなっていた。こりゃいかんと釣りをやめて、車に戻ってエンジンを掛けてヒーターを入れた。 もういいな、十分遊んだと思い、着替えて事務所に向かった。ここには薪ストーブがあって、ここで暖まって行くのが通例になっている。薪をくべて火を強くしていると、専務の克彦さんが缶コーヒーをご馳走してくれた。親父さんも現れ、しばし世間話となる。 で、後は癒しの湯に行った。お湯の後は火照った身体をさますのには丁度いい喫煙所がある。下の写真は喫煙所からの夜景。見慣れたシーンである。 道志道を相模原方向にもどる。と、見事な満月が出ていた。大きくて、オレンジ色だった。写真を撮ったが一枚目は見事に失敗。だが、これも面白いのでお見せしよう。何とか撮れたのが下の写真だ。月の撮影は難しい。 昼食を食べていないので、急速に空腹感が襲いかかってきた。で、愛川工業団地にある中華料理屋に寄って、椎茸そばとギョウザを食べた。そして、クリニックに戻って、今、パソコンに向かっている、というわけである。 冬の、典型的な、休みの日だった。 |