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2009年02月11日(水) 
 やっと三好徹著の「チェ・ゲバラ伝」を読み終えた。チェ・ゲバラの本質にせまろうとよく調べた結果、詳細で信頼性が高い内容となっているため、読み進めるのにやや苦労した。
 チェ・ゲバラはアルゼンチンで生まれ、医師となり、中南米での「圧政と一般人の貧苦という構図」を体験し、カストロとゲリラ活動を起こし、キューバを変えた若き革命家。新キューバでは工業大臣・国立銀行総裁となったが、その地位を投げ捨て、家族を捨てて、新たな革命闘争を求めてコンゴ、ボリビアに渡り、39歳でボリビアの山中で政府軍によって射殺された。
 静かな行動の人、無私の人、澄んだ青い目、正直な人、やさしさ、にあふれていたという。この人のためなら命を捧げてもいい、と思わせる男だったようだ。三好徹は見事にゲバラ像を描いている。
 澄んだ青い目の人か・・・。僕にもそんな友人が居た。東大闘争に参加し、若くして自らの命を絶った男を。顔もどこかチェに似ていた。
 この本を読み、なぜ、過酷な状況を求め続けたのだろうか、という疑問が残ったが、とうてい僕のような凡人には解けそうもないが、本の中に引用されたゲバラの手紙の一節を紹介しておこう。
「芸術家のような喜びを持って完成を目指してきたわたしの意志が・・・、中略、わたしはそれをやるつもりです」
 やむにやまれぬ美意識、天命・使命感に似たもの、に突き動かされ、その流れから外に出ることを潔しとしなかった頑迷さ・純粋性だったような気がする。常人に真似のできるものではない。方向は違うが、日本人では三島由紀夫と共通点がありそうな気がする。
 ヒーローが求められている現在、チェ・ゲバラは恰好のヒーローだろう。だがね、命をかけなきゃあヒーローにはなれない。それも自分の為じゃなく、しかも、1回じゃなく、何度も、何度もね。この本を読み、そんな人が本当にいたんだ、という深い余韻が僕に残ったのだった。
チェ・ゲバラ伝、三好徹、原書房より引用

閲覧数1,007 カテゴリ日記 コメント4 投稿日時2009/02/11 00:15
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コメント(4)
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  • 2009/02/11 12:00
    鉛筆狂四郎さん
    S藤さん:
     君のブログにも書いていたんだね。まったく知らなかったよ、失礼した。
     この言葉もいいね。正直だよね。それを実践している人が言うのだから迫力がある。
     いちおう、映画の第2部を見ておこうとは思っている。どんな具合に作られているか確かめたいから。
    次項有
  • 2009/02/11 11:46
    鉛筆狂四郎さん
     この本は「あの時代」を経験した人が読むのだろうと思っていたが、もっと広く読まれていたんだね。
    「あの時代」にももちろんゲバラのことは知っていたが、危険な匂いがしたので、僕はゲバラについての本を読むのを意識的に避けていた。
     もし、読んでいたら、どうなったのだろうか、と思ってしまう。
     我々の戦いが終息して仲間内の一人がポツリとつぶやいた。
    「あれは、青い空にぽっかり浮いた白い雲のようだったなあ」と。本気で世界を変えようと思い、すべてをなげうって、言いたい放題に言い、行動した、夢のような出来事だった。
     ゲバラ自身にも迷いや悩みがあったはずだが、それは残されていない。結局、各人に与えられた能力・天分を無駄にしないように生きていくしかないのだろう。
    次項有
  • 2009/02/11 11:35
    S藤さん
    私は、自分のblogでも書きましたが、

    http://blog.goo.ne.jp/concept_s/e/3dc921266ba97a633…bb8c7ac189

     もしわれわれが空想家のようだといわれるならば、 
     救いがたい理想主義者だといわれるならば、 
     できもしないことを考えているといわれるならば、 
     何千回でも答えよう。そのとおりだ、と。

    ゲバラのこのフレーズに参りました、はい。
    次項有
  • 2009/02/11 11:24
    S藤さん
    この本、素晴らしいですね。
    うちの事務所の書棚にあります。
    何人もこの本を借りていきました。
    次項有
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