1月7日、ボクは二俣川にある神奈川がんセンターに入院し、8日には手術を受け、左肺の上葉、つまり肺全体の4分の1を切除した。 病院はつい最近建て替えられたばかりで、新しく、清潔だった。2階のラウンジにはピアノが置いてあり、落ち込み勝ちながん患者を元気づけるためのもののようだった。 手術当日のことはよく覚えていない。記憶に残っているのは翌日の後半からだった。体のあっちこっちに管が入っているのに立って歩かされたこと。食事も翌日からお粥が出た。 手術後数日は軽い麻酔が持続的に効いている状態であり、痛みはほとんど感じず、息苦しさもなかった。だが、毎日のように歩かされ、点滴、胸腔ドレナージの管が着いたまま廊下を歩いた。はじめはナースが一緒に歩いてくれたが、後にはナースは付き添わず、ひとりで歩いた。早朝の東側の廊下には朝日が当たり、まぶしく光っていた。西側の廊下の突き当たりからは遠くに富士山が見えた。主治医の説明では「手術ではかなり頑張って取りました」とのこと。 手術後4日にはすべての管がとれた。このときは嬉しかったなあ。 このころから病院の食事に不満が出てきた。味付けが薄く旨くないのだ。で、缶詰(サンマの蒲焼き、牛肉の大和煮)を持ち込んで食べた。 5日目には磯部クリニックの職員が大挙してお見舞いに来た。これも嬉しかった。 呼吸器外科はチームで動いており、毎日2回はドクターが顔を見せ、2日に1回は全員で回ってくる。皆若く、意欲的で、とても感じが良かった。ナースも若く、キビキビと動いていた。 で、経過はきわめて順調で、15日には退院となった。 けっこう大きな手術であり、術後は苦しむかと思っていたが、それほどでも無かったのがありがたかった。術後の鎮痛がとてもよく考えられていたと思う。 で、今はとても元気であり、体をある方向に動かすとズキリと痛みが起こる程度だ。これも次第に収まっていくのだろう。 とまあ、こんな風で入院は終わった。 神奈川がんセンター6Wの皆さん、お世話になりました! 死ぬほど苦しむかと思っていたら、ぜんぜんそんなことは無かったよ。