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2007年06月28日(木) 
 いやあ、英辞郎のことを書いたら驚くほどの反応があったねえ。みんな英語には苦労しているということかな。
 日本のグローバル化も日に日に進んでいて、国際語としての英語の重要性が高くなってきているようだ。
 僕はね、英語そのものを勉強したことがあまりなくてね。英会話はぶっつけ本番でアメリカに留学して、現場でやむを得ず身につけたんだ。留学先では、向こうの医者と同じ仕事をして、周りには日本人は居なかったからね。英語をしゃべるしかなかった。医学の知識や経験はこっちが上のことが多かったから、こっちも教えながら、相手から英語を教わるという感じだったな。
 英語の読み書きは会話とはまったく別のものだ。読むのは医学部に入ってから一冊の英語の医学書(1500頁)を2年かかって完読してから自信がついた。毎晩2時間は読んだ。初めは辞書を引き引き理解しながら読んだので2時間で4分の1ページくらいしか読めなかったが、半年ぐらい経つとスピードが上がっていった。本を読み終える頃には日本語の新聞を読むのと同じくらいのスピードで読めるようになっていた。だから学生時代、教科書はほとんど英語の本を読んでいたナ。同級生ではぼくだけだったね、そんなことをしていたのは。
 それでも、英語は書けなかった。書けるようになったのは大学を卒業して15年くらいたった頃かな。英語の論文を10個くらい自力で書いて、国際学会でも発表して、やや自信がついたんだ。ある時ね、横浜にある翻訳会社から電話があってね、”先生の英語の文章は正確ですばらしい。アルバイトで医学関係の日本語の英訳の仕事をしてもらえまえせんか?”と誘われたことがある。もちろん、丁重にお断りしたが、悪い気分じゃなかったナ。
 まあ、こんな風で、「英語」を勉強したと言うより、英語で書いてある本が優れていたのでそれを読む努力をしたこと。論文は世界に向けて発信するメッセージなので、やむをえず、外国の医学雑誌に英語で書いた、というわけだ。
 英語は単なる道具であり、やった仕事の内容のほうがずっと重要だと思う。ときどき、生まれながらに英語をしゃべっている連中が羨ましくなるが、内容はこっちが上だと思っていれば怖がることはないんだよ。英会話は単なる慣れだよ、慣れ。構えて勉強するもんじゃない。
 英語についての僕の遍歴、みなさんの参考になればうれしい。

閲覧数1,137 カテゴリ日記 コメント5 投稿日時2007/06/28 23:01
公開範囲外部公開
コメント(5)
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  • 2007/06/29 10:10
    CHIRORIさん
    先生の英語の遍歴はとても面白かったしとても参考になりました!
    「ときどき、生まれながらに英語をしゃべっている連中が羨ましくなる」は正にその通り!

    私は子供の頃、父の仕事の関係でアメリカ人の家に良く連れて行かれて、そこで見たアメリカ人の生活を本当に羨ましく思った。大人になったらアメリカ人と結婚してあんな暮らしをするぞ!ってかなり大きくなるまで本気で思ってた(^^)

    人生遅いって事はない?バイリンガルになるべく、これからは構えてする勉強はやめて、英語に慣れるようにしようっと!でも、どうやって慣れるかな??
    次項有
  • 2007/06/29 11:16
    S藤さん
    なーるほど、ここ半年、事務所に週3~4日はいるアメリカ人女性と会話し続けていると、先生のおっしゃることが良く理解できます。CHIRORIさん、うちの事務所で働くとかなり慣れますぜ!
    次項有
  • 2007/06/29 12:04
    CHIRORIさん
    サト爺みたいな環境があったらいいなぁ~。
    次項有
  • 2007/06/29 12:18
    YaMaさん
    先生のこの日記を拝読して 再度共感する事がありましたので、また一言書かせていただきます。 ご笑読ください。

    私の場合、英語は大学4年間で学んだ“つもり”でしたが、就職した会社から海外留学の機会を与えられて2年間英国の大学院でMBAのコースで研究することになりました。 最初に苦労したのは英文の専門書の読み書きではなくて、ヒアリングでした。 日本での英語“習得“に係らず、耳から入る英語は6割程度の消化で、これは大変な事だと思いました。 当時MBA と言えば、アメリカが一歩先を行って、会社の同期の友人達もエールとかマサチュセッツ工科大学でMBA を先に取っていたので、悔しさがありましたが、それは私の実力ということで覚悟しておりました。

    幸い、時間の経過とともに、快適に“実地修行”を終え、MBAを習得する事ができました。 英国での当時の友人達とは現在も交流が続いていることは私の宝でもあります。 その後Manchester大学で教授をしていた友人の一人は、現在では私達が机を共にした大学で貫禄教授になっています。

    20代初期に結婚していたので、妻と子供達2人を連れてイギリスに飛び入りしたのですが、上の子供は家主の子供と同じ年齢で、一日中家の周りを飛び回って遊び、幸い小学校の幼稚園部(Infant School)でも学ぶ事ができ、子供にとっては最高の環境であったと思います。

    その後、その子供(女)は化学物理分野で東大で学士、修士まで終えることになりましたが、専門書は日本語でなくて洋書の方が自然に頭に入るというので、全部英語でした。

    現代の電子社会は当時とは全く異なります。 これからの若い人達は現在、当然のように与えられている 無料のInternetをフルに活用されたらよろしいと思います。

    先生が仰るように、英語は、自分の目的とする分野を決めて、それに向かって英語力を付けていく事をお勧めします。 自分の得意とする又は関心がある分野での英語力を強めていくと、そこで少しづく自信が持てるようになるものです。

    会社での専門分野の会話力、読解力というものは、意外に限られた範囲の語数(専門用語)を使用する事で、外国人と略対等に交渉を進めることが可能な場合が多いと思います。 むしろ、何気ない日常会話に日本人は困難な経験をする事が多いのではないでしょうか。

    アジア諸国の人たちと比較しても、日本の産業技術がリードしているにも関わらず、英語力(特に会話力)においては依然として大きく遅れている現状は日本の英語教育、英語環境に大きな改善の余地があると思います。

    内容が伴わない英語を勉強しても、直ぐに嫌になってしまいます。 また、これはとても私が言える立場ではありませんが、英語を勉強するのと平行して日本語、日本文化を身につけることが大切だと思います。
    次項有
  • 2007/06/30 11:11
    鉛筆狂四郎さん
    YaMaさん:
    まったく、その通りですね。
    次項有
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