何か、久しぶりでブログに書くような気がする。それほど、この週末は綺麗なアマゴの写真を撮るために気合いが入っていた。
その理由はトム・モーガンから買ったラス・ピークの竿に釣らせる最初の魚は綺麗な、できればネイティブの鱒であってほしかったからだ。ほかにもあった。それはほれぼれするように綺麗なアマゴの写真を撮りたかったのである。運良く手に入れば今度出るフライフィッシング用語辞典の写真に使いたいからだ。初版で使った写真はイマイチだからである。
今回も例によって掛川のS藤君、袋井のK松君のお世話でとっておきの川に案内してもらった。
19日(土)は雨の後で水位も高く、ごく小さなアマゴしか釣れなかった。夜はシンフォニーという山の頂上付近のログペンションに泊まった。K松君、S井君と夕食をともにしたが、いつもの釣り談義をしながらも〈綺麗なアマゴが釣りたい〉ということがいつも頭の中にあった。
20日(日)、曇り、のち晴れ、のち雨。ログペンションからの早朝の眺めはすばらしかった。ミヤマツツジが咲き始め、ヤマザクラが満開だった。この日に行く川は今年3回目の挑戦であった。ここには放流はされたことがなく、ここのアマゴはほぼ天然物と思っていいらしい。新芽どきであり、川の両側には若々しい新芽がもりもりと伸びていて、まるで花が咲いたように綺麗だった。むせかえるような生命の息吹を体いっぱいに感じながら釣り上がっていった。
だが、まだ水位は高く、なかなか僕のフライにはアマゴは出てくれない。丁寧にポイントを釣りながら、ついに釣り場の最後になる堰堤に来た。ここでは前日にS君が釣っていて、アマゴは絶対に居るはずだった。
向かって右から一つずつ流れにフライを投入した。そして、大きなアマゴが反転するのが見えた。体高は7センチほどもあったろう。すかさず合わせ、空振り?、と思った。調べて見ると、フライはなく、ティペットが切れていた!まったく抵抗もなく、ティペットが切れていたのだった。考えてみるとさきほどフライが木の枝に絡まって、竿をあおってフライを外したときにティペットが傷ついていたのだろう。なんと、立派な魚体の魚だったことか!
気を取り直した僕は新しいティペットに変え、別の流れを狙った。そして、アマゴが釣れたのだった。釣れた瞬間に綺麗な朱点がよく見えて、ヤッタァと思った。
それは約19センチと小振りだがとても綺麗なアマゴで、完全な魚体であり、コンディションも良かった。
嬉しかったなぁ。
その朱点の鮮やかなこと!まるで十代の娘が誇らしげに鮮紅色の模様の衣を身にまとっているようだ!
写真をたくさん撮った。これでもかと言うくらいたくさん撮った。
で、写真をお見せしよう。竿と一緒に撮った分はトム・モーガンにも送る予定だ。
午後には皆と合流し、デイビッドもきていた。みんなでカワムツ釣り大会をして、掛川では「お好み焼き」を食べて、相模原に戻ったのは11時頃だった。だが、疲れはあまり感じなかった。綺麗なアマゴがやっと釣れていい写真が撮れたという高揚感があったのだろう。
掛川、袋井、磐田のみんな、どうもありがとう。2008年4月20日の釣りは僕の一生の釣りの中でも忘れられない一日となったのだから。