すこし硬い話になるが、アル・ゴアの「不都合な真実」というDVD映画を見た。これは彼がこれまで行ったスライド講演の記録である。 いやあ、感心した。地球を救うということが彼のライフワークであることがよく分かった。 見終わった後にある聖書の一説を思い出した。 「荒野で呼ばわる者の声がする、 主の道を備えよ、 その道筋を真っ直ぐにせよ」 (マタイによる福音書3章3節) 呼ばわった者はガリラヤの大工であり、後のイエス・キリストである。 僕は無神論者であり、キリスト教を支持するつもりはまったくない。だが、宗教が持つ文化には真実を突くものがある。 アル・ゴアは荒野で呼ばわり続けているように思える。そして僕が驚いたことは彼が世界の人口問題にも言及していることだ。この問題はタブー視されていて、誰もが避けているのだが、彼は堂々と指摘していた。もはや彼は敵を作ることをまったく恐れていないように見える。彼がブッシュとの大統領選挙で勝っていたら、どんなアメリカになっていたか。イラク戦争は無かっただろうし、想像するだけでも愉快である。だが、大統領選に負けたからこそ、生き方を変え、かえって彼らしい生き方をしているように思う。 真実を突きつけることはできる。 だが、どうやって人を変えていくのか。 そんなことができるのか。 少なくとも、ゴアがやっていることは決して 無駄ではないだろう。 この映画は歴史に残る不朽の名作となった。 |