お名前:焚火男
一穂の青燈、万古の心
という漢詩の一節があります。
本というのは著した人の心にいつでも触れられるように思います。
電子本がいかに台頭しても、印刷された本の代わりにはならないでしょう。島崎氏の序文は願っても無いものだと感じます。
良い本を期待しています。
「フライフィッシャーの昆虫学」は釧路のフジプリント(水口吉朗)で印刷してくれることになり、このところ水口さんとのやりとりが多い。彼は単に印刷してくれるだけではなく、優れたフライフィッシャーであり、書き手の能力を生かして、原稿の編集や本のレイアウト・装丁もやってくれる。まことにありがたい。 そして、ある事を思いついた。この本は釣り人から見た水生昆虫学であり、あの島崎憲司郞(通称シマケン)が推薦文を書いてくれたら読者も喜ぶんじゃないだろうか、と。そして、それより、この本ができあがってシマケンが見たときに、なぜ私にひとこと書かせてくれなかったのか、と文句を言うんじゃないだろうかと思った(心配した)のだ。釣り人から見た水生昆虫学が一番大事だと言っていたのは他ならぬシマケンだったからなあ。 そう思い、今日の午後、彼に電話してみた。これまでの経緯をかいつまんで話すと、彼はこの本のことをもちろん知っており、あれは釣り人の本と言うより自然科学史に残る名著ですからね、私なんかが推薦文を書いていいんですかね、と言う。そりゃあ大丈夫だよ、日本では余人をもって代え難しなんだから、と持ち上げたものだ。あとは釣りの話になり、へら鮒釣りの話になり、30分くらいおしゃべりしたと思う。 ま、良かった、良かった。彼が引き受けてくれれば、安心だ。何を書かれるか、ちょっと心配な面もあるが、うまく書いてくれるに違いない。本の売れ行きが良くなるかもしれないが、それより、この歴史的名著の翻訳書に彼が関わったということが意味があるように思う。僕に言わせると「フライフィッシャーの昆虫学」はシマケンの言いたいことを代弁しているような本なのだから。 |