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2010年10月15日(金) 
 「フライフィッシャーの昆虫学」は釧路のフジプリント(水口吉朗)で印刷してくれることになり、このところ水口さんとのやりとりが多い。彼は単に印刷してくれるだけではなく、優れたフライフィッシャーであり、書き手の能力を生かして、原稿の編集や本のレイアウト・装丁もやってくれる。まことにありがたい。
 そして、ある事を思いついた。この本は釣り人から見た水生昆虫学であり、あの島崎憲司郞(通称シマケン)が推薦文を書いてくれたら読者も喜ぶんじゃないだろうか、と。そして、それより、この本ができあがってシマケンが見たときに、なぜ私にひとこと書かせてくれなかったのか、と文句を言うんじゃないだろうかと思った(心配した)のだ。釣り人から見た水生昆虫学が一番大事だと言っていたのは他ならぬシマケンだったからなあ。
 そう思い、今日の午後、彼に電話してみた。これまでの経緯をかいつまんで話すと、彼はこの本のことをもちろん知っており、あれは釣り人の本と言うより自然科学史に残る名著ですからね、私なんかが推薦文を書いていいんですかね、と言う。そりゃあ大丈夫だよ、日本では余人をもって代え難しなんだから、と持ち上げたものだ。あとは釣りの話になり、へら鮒釣りの話になり、30分くらいおしゃべりしたと思う。
 ま、良かった、良かった。彼が引き受けてくれれば、安心だ。何を書かれるか、ちょっと心配な面もあるが、うまく書いてくれるに違いない。本の売れ行きが良くなるかもしれないが、それより、この歴史的名著の翻訳書に彼が関わったということが意味があるように思う。僕に言わせると「フライフィッシャーの昆虫学」はシマケンの言いたいことを代弁しているような本なのだから。

閲覧数1,014 カテゴリ日記 コメント4 投稿日時2010/10/15 21:58
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コメント(4)
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  • 2010/10/15 23:10
    さん
    お名前:焚火男

    一穂の青燈、万古の心
    という漢詩の一節があります。
    本というのは著した人の心にいつでも触れられるように思います。
    電子本がいかに台頭しても、印刷された本の代わりにはならないでしょう。島崎氏の序文は願っても無いものだと感じます。
    良い本を期待しています。
    次項有
  • 2010/10/16 17:23
    さん
    お名前:池乃 鮒雄

    僕はへら師なのでフライフィッシングなる難しい世界は
    わかりませんが、素晴らし本が完成しそうですね。

    ところで、話は変わりますが、(仮)池乃倶楽部の通信部部長
    より狂四朗様が本当に赤のレガシーに変えたかどうか
    僕のところに問い合わせがありましたので、ぜひ新車のうちに
    赤のレガシーをブログ上でもお披露目ください。
    次項有
  • 2010/10/16 20:52
    鉛筆狂四郎さん
    焚火男さん

    しゃれた漢詩を知ってるねえ。
    万古というのは分かるが、この漢詩は知らなかった。
    で、ネットで調べて見た。
    いい漢詩だねえ。
    勉強になったよ。
    知らない人も多いと思うので、以下に紹介しておこう。
    全日本漢詩連盟会長の石川忠久氏が書かれた文章だ。
              

    冬夜読書          作 菅 茶山[かん ちゃざん]

    雪擁山堂樹影深  雪は山堂を擁して樹影深し
    檐鈴不動夜沈沈  檐鈴[えんれい]動かず夜沈沈
    閑収乱帙思疑義  閑[しず]かに乱帙[らんちつ]を収めて
    疑義を思う
    一穂青燈万古心  一穂[すい]の青燈万古の心

    (訳)
    雪は山の書斎を降りこめ、樹の陰も深い
    軒端の鈴はコトリともせず、夜は更けてゆく。
    静かに乱れた書物を収めながら、今学んだ内容を考えてみる
    すると、部屋の燈火の青い焔がじーっと燃えて、その焔を通して
    古の賢人の心が伝わる心地だ。
    ---------------
    勉学の詩の最高傑作と言ってよい。雪に降りこめられた山の書斎で、古の賢人(孔子や孟子など)の書物を読む。「帙」は和とじの本を収めるカバーのようなもの。その中から本を取り出していろいろ調べ、読み終わるとまた帙の中へ収める。収めながら、あれこれ今読んだ古典の意味、先人の心を思う。

    ここで、部屋の燈火に着目したのが、詩人のひらめきだ。稲穂の形で青く燃える焔。それを「一穂の青燈」と言った。

    第二句で軒端の鈴が動かない、ということにより、外は無風であることが暗示されている。従って部屋の中にも隙間風は入らない。ゆらめかずにじっと燃えている青い焔。その焔を通して先人の心が伝わるのだ。何とも素晴らしい表現だろう。

    この詩は勉学の本質、といったものを教えてくれる。一つには冬の夜の寒さによる「緊張」。勉強はダラダラしていてはできない。ギュッと身の引きしまるような中で勉学に励むのだ。

    もう一つは「凝縮」あるいは「集中」。じっと燃える青い焔に、古人の教えが凝縮されて伝わる心地になる。

    以前、中国の武漢大學を訪問した時のこと。学生達が寒さをこらえて、図書館の薄暗い燈の下で、一心不乱に勉強していた。その時思わず、「一穂の青燈万古の心」の句が口を衝いて出たのであった。何一つ不自由のない環境が良いのかどうか、却って足りない方が勉学の意欲をかき立てるのではないだろうか。考えさせられることである。

    菅 茶山(1748~1827)は、広島県福山の人。本名は菅波晋帥[すがなみ ときのり]。「黄葉夕陽村舎」を開いて、子弟を教育した。頼山陽もここの塾長をしたことがある。
    次項有
  • 2010/10/16 20:55
    鉛筆狂四郎さん
    池乃鮒雄さん

    原著はすばらしいんだが、さあて、翻訳書はどうなるか。
    出たら、みんな、買ってくれよー

    クルマねえ、黙っていたかったんだが。
    では、今度おりがあったら写真でも撮ろうか、ナ。
    次項有
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