正月となり、ようやく冬晴れが続いて、冬らしくなってきた。正月ぐらい、のんびりしようと、朝寝をして、雑煮を食べて、ダラダラと時間を過ごす。
我が家の雑煮は博多の雑煮であり、アゴ出し(トビウオを干して焼いたもの)に塩ブリ、カツオ菜、かまぼこ、里芋と丸餅が入る。カツオ菜は関東では手に入らず、毎年博多の岩田屋デパートの地下の八百屋さんから送ってもらうのだが、今回は頼むのを忘れてしまった。仕方なく家内は近くで似たものを買ってきたが、味が違っていた。ブリは寒ブリであり、油が多く、日持ちさせるために数日前から塩ブリにするのでやや臭みが出る。これに対してカツオ菜の独特の苦味が油消しと臭み消しになって、トータルとしておいしく食べられるようになっている。博多の町人が考えたぜいたくな雑煮なのである。
暮れには納竿が2回もあって、なんとなくバタバタしていたからなあと思った。いや、それだけではあるまい。年と共に、いくつかのことを同時進行させる気づかいの能力が落ちてきている、というのが正解なんだろう。
テレビを見ても変わり映えのしない番組ばかり。あっと気がついたら、今年はウィーンフィルのニューイヤーコンサートを見逃してしまっていた。箱根駅伝もすこし見たが、あきてしまった。
で、3日にはヘラブナ釣りに行った。釣り場は相模原北部にある「大島ヘラ釣り場」。この日、食いが悪く、3回アタリがあったんだが、2回はカラ振り、1回は掛けたもののヘラが藻の中に入って逃げられ、結局ボウズをくらってしまった。残念だったが、釣り場にはカルガモやサギが居て、目を楽しませてくれた。家でゴロゴロしているよりはマシだと思った。
こんなふうで3が日が過ぎてしまった。まったく実りのない、何にも起きなかった3日間だった。だが、そんな正月もあってもいいのかな。良いこともなかったが、悪いこともなかった。おそらく、いや間違いなく、幸せな正月だったような気がする。


