新年が始まって4日より通常業務(診療)が始まった。ふと思いついてあるナースに「正月(門松)は冥土の旅の一里塚」って知っているかと聞いたところ、だれも知らず、聞いたこともないという。
僕は少なからず驚いた。
「一里塚のあとには、めでたくもあり、めでたくもなしと続くんだよ」
と説明してもまだピンと来ないらしい。やむを得ず、昔は年令は数えで言っていたから、正月になる度に1歳年をとるものだった。だから正月が来る度に年令が増えて、寿命の年令に一歩ずつ近づいて行くからね、めでたくもあり、めでたくもなしなんだよ、と説明してやっと理解してもらったものだ。
誰の歌だったか記憶が定かじゃなかったのでネットで調べてみたら一休さんが詠んだものだった。今風に言えば、「正月(門松)」の代わりに「バースデー(誕生日)」と言えばいいのだろう。
「一休さんの話は高校の国語か日本史で習ったはずだよ。ただ、この歌を授業で話したかどうかは教師によってちがうだろうけどね。君たちは高校での授業はきれいさっぱり忘れてしまったのか」
と言ってしまった。後でちょっと言い過ぎたかなと反省したが、この手の知識は高校では教えないかもしれない。社会に出てからの雑学なのかもしれない。
また、僕は少々皮肉屋の面があるので、あるときに聞くか読むかして面白いと感じて覚えていたのかもしれない。
ところで、僕は今年、数えで74歳(満で72歳)になった。2014年の日本人男性の平均寿命は80.5歳である。