僕はそこそこ本を読むほうだが、最近は根気がつづかず、途中で放棄してしまうことが多い。ところがこの本だけは違っていた。読み出すと止まらないのだ。カテゴリーで言えば痛快活劇ということになるんだろうか。南アルプスの北岳、広河原が舞台で、野呂川にはイワナ釣りに行ったこともあり、情景がイメージしやすく親しみが持てた。
ところで、どこでこの本のことを知ったのか記憶に定かではない。2016年2月8日発行なので、最近知り、ただちに買って読んだというわけだ。
それにしても作家の樋口明雄というのは稀代のストーリーテラーだ。帯に書いてあるように”全篇、クライマックス!”であった。内容には触れないでおこう。読んでからのお楽しみということで。すこしだけバすと、犬が大活躍すること。
久し振りに一気に読める本に出会ったという感じだった。おそらく、今年、何らかの賞をとるんじゃなかろうか。
