今回の建て替えプロジェクトでは、誰でも知っている大手ハウスメーカー、大手では無いものの中部地区では知られた中堅メーカー、そして地元の工務店等々沢山の会社に出向きました。 それぞれに魅力的なところ、対して『?』と思えるところが混在、どの会社にお願いしようか大いに悩みました。 ハウスメーカーと言われるところの家はソツが無いといった感じです。過去の膨大なデータから近いと思われる間取りをチョイス。システムキッチン、システムバス、トイレなども有名メーカーの商品が標準で、至れり尽くせり。生活するには何の不自由も無い装備であふれています。 対して今回2人が悩みに悩んで選んだ会社は、この地域ではほぼ無名の工務店。そして目を見張るような装備品も標準装備ではなく、単に装備だけで比較するならば全く相手になりません。 でもその家は特徴があるんですよね、それは檜の無垢材が持つ独特の柔らかさ。土台は勿論、床、壁なども材料は地元の檜をふんだんに使っています。そして檜独特の香り?が心を鎮めてくれるような気持ちになれます。 初めてモデルハウスにお邪魔した時も家に入るなり檜が香り『木の匂いが凄いですね〜』と言ったら、この家(モデルハウス)は建ててから9年経ってますと言われ、またまた驚きです。そんな事もあり、今から振り返ると既にその時点で半分は気持ちが傾いていたと思えます。 キッチン、風呂、トイレ、etc、設備が整っていて、痒い所に手が届く家というのは、落ち度が無い代わりに70点主義で、車でいうとかつてのトヨタカローラみたいな存在。但しこれといった魅力に欠ける。対して僕たちが選んだ家は100点の部分(魅力)がある代わりに50点の部分もある、車でいうと軽のホンダS660や、マツダのロードスターみたいに欠点もあるけれど、それを打ち消すほどの特徴を磨いた存在。 『色んな物が揃っていて、子育て世代ならあれで十分、文句無しだよね〜』中堅ハウスメーカーのモデルハウスを見学した帰りに女房殿が呟いた台詞です。 勿論資金がふんだんにあるのなら、ベンツやBMWも買えますが、庶民はそうもいきません。 でも最終的に僕たち夫婦が求めたものは、終の棲家として安らげる居場所(空間)であり、それは単に台所や風呂といった装備品、そして洒落た空間では満たされないといった事に気づかされた1年でした。 さてこれからどんな物語が始まるのかな? |