僕は酒飲み、飲酒量が多い、と思われているようだが、実は酒には弱い。日本酒で2合も飲めば、かなり酔う。だが、宴会となるともう少し飲むようではある。
酒はもっぱら日本酒をやる。好きな銘柄はいくつかあるが、夏子物語、久保田あたりがいいな。二番目に好きなのがスコッチ。ピュアモルトのスコットランドの東側のスコッチがいい。例えば、グレン・モランジーとか、グレン・フィディックなど。僕はブランディーは苦手だ。あの匂いが日本人の僕にはドギツイ。焼酎もいいね。正直言って麦焼酎がいいが、ときにはクサイ芋もいい。ビールは外国ではよく飲む。ノン・アルコール・ビールも悪くない。ワインはもっぱら白。赤はお付き合いで飲む程度で、おいしいと感じられない。ポリフェノールが含まれているので健康にはいいらしいが。
初めてヨーロッパに行って、オーストリアでのあるレストランでのことだった。一人でレストランに入り、注文もすんで、しばらくしてからのこと。ボーイが小さなグラスに透明な液体の入ったものを持ってきた。グラスの外側には霜が付いていて、グラスが冷やされていたことがわかる。水にしては小さなグラスだな、量も少ないし、と思いながらも、喉が渇いていた僕は一息にそれを飲んだ。とたんに口の中と胃の中は焼けんばかりに熱くなった。なんだこりゃあ、とボーイを呼んだら、ウォッカだったという。テーブルを間違えて持ってきたらしい。お金はいりませんと言ったが、僕の方は空き腹にストレートのウォッカが急速に効いてきていた。
教訓:注文もしていないものには手を付けないこと。冷静に考えれば、5センチメートルくらいのグラスであり、水であるはずがなかったのだ!
まあ、酒での失敗談は他にもいくつかある。
だが、酒がこの世に生まれていなかったら、どんなにつまらないことだろう。
今日も外来であるお爺ちゃんに検査結果を説明していたとき、その爺ちゃんが、あのー、お酒は少しは飲んでいいでしょうか、と聞く。しばし僕は考え、まあ、いいでしょう、少しならね、と答えた。そうしたら、そのお爺ちゃんの喜ぶこと、喜ぶこと!付き添いの息子が「少しだよ、少し」とあわててなだめていたものだ。よほど嬉しかったらしい。
僕は酒を止めるつもりは毛頭ない。ほかにも、○○も、XXも、△△も、止めないが。