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4日は古い釣友と3人でウラタンに行った。人は多かったが、平水で、天気も良く、気持ちのいい釣りになった。 川が仕切られたキープエリアの上流側にはヤマメ・クラシックというキャッチ・アンド・リリースの釣り場があって、ここは自然の渓流をそのまま残してある。3人で川を遡りながら、いいポイントでは一人が気に入って釣り始めると彼を残してさらに上流に向かう。そんな風にして、僕は一人でかなり上流に行ってみた。すると浅瀬でライズしている場所があった。僕は手頃な石に腰掛けて釣り始めた。 目の前の渓流は緑に包まれ、冷たい透明な水が流れ、水生昆虫が羽化して、鱒が食っていた。すべてがパーフェクトであり、僕は完全な自由を手に入れたように感じた。 幸せだった。これ以上の幸せがあるのだろうか、とさえ思った。最近テレビで深夜に放送が始まった「湯煙スナイパー」というドラマがあって、僕は気に入って見ているが、皆が寝静まった後、主人公が番頭さんと二人で、河原で即席ラーメンを食べ、その旨さに「今が一番幸せなんじゃなかろうか」とつぶやく感じによく似ていた。 ふと、もし僕が釣りをしていなかったら、何をしていたのか、と思った。それは恐ろしいことであり、ゾッと鳥肌が立つようで、考えたくない、と思った。ゴルフもいいが、結局は競技であり、人に勝つことに真の喜びはない。医学にすべてを捧げる人もいるが、僕はそんな柄じゃあない。酒におぼれるほど酒が好きにはなれない。賭け事も時にはいいが、時間つぶしである。女はね、ありゃあ人ではあるが、別の種類の人だね。すべての細胞が男と違うんだから。 と、ここまで考え、すべての束縛から解放され、完全な自由を感じられる「釣り」が一番いいな、と思った。 我ひとり、川に見惚れて、春の渓。 |